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第21号 守る
- 公開日
- 2021/04/30
- 更新日
- 2021/04/30
校長室より
食べ残しや大食いなど食品の浪費を禁じる法律が、4月29日に可決されました。
違反した場合は、最高およそ170万円の罰金などが盛り込まれているようです。
びっくりされた方はごめんなさい。これは、中華人民共和国のお話です。
中国メディアによると、全国人民代表大会の常務委員会が、4月29日に食品の浪費を禁じる「反食品浪費法」を可決したとのことです。公布と同時に施行するという徹底ぶりです。
具体的には、大食いをしている動画をネット等で公開することが禁止です。
違反した場合は、日本円にして最高でおよそ170万円の罰金。
また、注文させた飲食店にも、およそ17万円の罰金が科される可能性があるとのことです。
中国では、おもてなしとして、お客さんが食べきれないほどの料理を注文する習慣があるそうですが、新型コロナウイルス感染症の影響で、食料供給に影響が出ることを警戒して去年から食品ロスを防ぐ取り組みを進めていることの一環のようです。
食糧自給率の低い日本も、食品ロスの問題を抱えています。
しかし、ここまでの法律を作ろうとしていると聞いたことはありません。
出町中学校の生徒たちはどうかな?
先日、給食の準備の時間に、廊下で大盛りのご飯を持った○○さんと出会いました。
偏見で申し訳ないですが、そのときの表情から想像するに、○○さんはペロリと完食したことでしょう。
「たくさんご飯もってもらったねぇ」と聞いたら、「はい」と、とてもうれしい表情をしていたからです。(※正解でした。今日廊下で会ったら「校長先生、あれ全部食べましたよ」と、笑顔で報告してくれました。)
ここからは、決してどこかや誰かを批判するという意図は全くないことを前提に書きます。
何でもかんでも、法律やルールをつくって縛っていく状況について、わたしは疑問があります。
きりがないと考えるからです。法の網をくぐり抜けようとするものも出現し、より細かい法律が必要になるといった、いたちごっこに陥る危険性があります。
小さい頃、「農家の方が汗水出して育てた農作物や、漁師さんが苦労して捕まえた魚や動物を、ありがたくいただかなくてどうする」と教えられました。
また、「植物も動物も命があり、その命をいただいていることを考えよ」と教えられました。
結果として、食べ物を残すということはだめだとすりこまれました。
※そして、何でも食べて体重が増えるのですが・・・
法律に触れるから、ルールをやぶるから、食べ物を残さないのではありません。
新型コロナウイルス感染症の対策についても、似たように感じる部分があります。
諸外国のようにロックダウンや、罰則付きの法律の整備などの強い措置をとらず、お願いベースで日本はここまで来ているように感じます。
そのことに様々な意見や批判があることは知っていますが、やはり法律に頼らなければならないのでしょうか。罰則付きの法律の整備が必要なのでしょうか。
確かに、命を守ることは最優先です。
苦肉の策かもしれませんが、命の他にも、守るべきものがあると思います。
✳ただし、矛盾を生じさせないための法整備は必要ですよ -
第20号 さり気ない行動
- 公開日
- 2021/04/29
- 更新日
- 2021/04/29
校長室より
4月29日(木)昭和の日
5月1日(土)
5月2日(日)
5月3日(月)憲法記念日
5月4日(火)みどりの日
5月5日(水)こどもの日
5月8日(土)
5月9日(日)
飛び石の8連休がスタートしました。
誰が名付けたか黄金週間です。
新型コロナウイルス感染症の影響で、昨年同様辛抱の連休です。
人間の心を表しているのか、あまり太陽が顔を出さない天気が続くようです。
一昨日まで続いていた晴天も、昨日は久しぶりの雨。
午前中からシトシトと降ったりやんだりしていた雨が、昼から少し強い雨になった時間帯がありました。
たまたまそのとき校舎内を回っていると、交通安全集会のために体育館へ集まっているため誰もいないある学年の教室前廊下を二人の教師が歩いていました。
何かあったのかなと気になり声をかけると、「雨が強くなり、窓から吹き込んでいないか気になって見ていた」とのことでした。
気付きと、気配りと、行動にうつす心。
素敵です。
二人はちょうど確認し終えたところのようで、「(雨が吹き込むことなく)大丈夫そうです。」と、体育館へ戻っていきました。
学校でも、誰も気付かないところで、誰かが支えてくれています。
このことに気付いたけれど、授業中で動けなかった教職員もいるかもしれません。
そんな人の想いも、この二人の行動は支えていると感じました。
また、他の場所で同じように動いていた教職員がいたかもしれません。
そんな教職員(おとな)の姿勢を、生徒たちは感じています。
気付き
改めて意識したいところだと思います
校長室の一輪挿し
かたい蕾だったチューリップが花弁を開こうとしています -
第19号 1年前のわたし
- 公開日
- 2021/04/28
- 更新日
- 2021/04/28
校長室より
今朝も生徒が登校してきます。
美術室では2年生のある学級が粘土を分け、こねて、湯飲みや皿をつくっています。
何人かにアイデアスケッチを見せてもらいましたが、なかなか工夫されています。
「クオリティ、低いですよ」と言って見せてくれた○○さんのスケッチには、ワンポイントとして木の葉が描かれており、わたしは「素敵だなぁ」と思いましたよ。
毎日の授業風景。
当たり前のようで、ありがたい風景です。
そのことを昨年、痛感しました。
ふと、1年前を思い返し、前任校で書いた「校長室より」を読み返してみました。
令和2年4月22日に掲載したものを一部抜粋して紹介します。
そこには、1年前のわたしの「想い」がありました。
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新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が令和2年4月7日に出され、4月16日には対象地域が全都道府県に拡大されました。地域の情報を確認し、落ち着いて行動するように日本政府が呼びかけています。感染拡大が急増している富山県でも、石井知事が県民にメッセージを送りました。
多くの人々はこれらの話を聞き、今何を為すべきかを考え、自粛を心がけて毎日を過ごしています。
4月20日に、日本テレビの報道番組「news every」の中で、メインキャスターの藤井貴彦アナウンサーが、外出自粛を続ける人たちに向けて励ましと協力を呼びかけました。千葉県佐倉市が、密集を避けるために4月当初からの開催を予定していた「チューリップフェスタ」を中止したにもかかわらず、誰でも入ることができる園内に多くの人が押し寄せたことに触れたニュースの後のコメントです。
【藤井アナウンサーコメント】
今、緊急事態宣言を受けて自分を律している人ほど、観光や遊びに出ている人を腹立たしく思うかもしれません。
しかし、皆さんのような人たちがいるからこそ欧米に見られる医療崩壊を防げています。
今はみんなの足並みがそろわなくてもその姿勢は必ず誰かの行動を変えるはずです。
そして全国にはまだ感染者の少ない地域も多くあります。
不用意に生活エリアを越えた移動をしないこと。
これが誰かのふるさとを守ることにつながります。
全くその通りだと思います。人には「他の人がしているから、自分も・・・」とか、「自分ばっかり我慢していて、おかしい!」等と考える傾向があります。しかし、藤井アナウンサーが述べた通りなのです。
お笑い芸人の水道橋博士著「藝人春秋」(出版社:文藝春秋 2015年4月10日初版)の中に、コメディアンであり俳優でありタレントである、石倉三郎さんの言葉があります。
辛抱ってなぁ我慢とは違うんだよ。分かるかい?
辛抱ってのは、辛さを抱きしめるってことだからな。
長い下積み生活を経て現在マルチに活躍されている石倉さんの言葉は重みがあり考えさせられます。国語的にはほぼ同義の言葉かもしれませんが、わたしは現在の状況には「辛抱」という言葉がしっくりくると感じます。今日も「辛抱」して、未来のために備えます。為すことは多いです。
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1年前のわたし。
そうでした・・・。
1年たった今も、感染拡大の第4波があり、その心持ちは変わらないなと感じます。
「他の人がしているから、自分も守らなくてよいやろ」
「自分ばっかり我慢していて、おかしい!」
そして、今は、
「今まで効果なかったから、もう協力しない」
「対策の意味が分からないから、自分はやらない」
「言っている人たちだけでやればよい」
違和感を覚えます。
ここ富山県では、富山アラートが発令され、レベル2という状況でゴールデンウイークを迎えます。
今、為すべきことは何か?
マスク着用や手洗い(手指消毒)の徹底、三密回避、そして、食事と睡眠。
わたしは、自分のできることをよく考えて、粛々と実践したいと思っています。 -
第18号 進む先
- 公開日
- 2021/04/27
- 更新日
- 2021/04/27
校長室より
階段に1年生の学年目標が掲示されました。
3年生もよく通る階段ですから、この学年目標を先輩として毎日目にしているでしょう。
先輩たちはこれを見て、どのように想うのだろうと想像すると、なんだかわくわくします。
そして、教室前廊下には一人一人考えた学級目標の原案が掲示されています。
それぞれの個性があってとても興味深いです。
同じ学級の人が、どのようなことを考えているのか伝わってくるものです。
本校は出町小学校、砺波北部小学校、砺波南部小学校、鷹栖小学校の4校から生徒が入学し、今の時期はまだお互いのことを知らない人がいます。だから、ああ、あの人はこんなことを考えているのかと、その人を知る機会にもなります。
わたしが中学生になったとき、入学したのは今の出町中学校と同じで4小学校が集まる中学校でした。7学級、307名の同級生。ぎりぎり2学級の小学校を卒業してきたわたしにとって、新しい学級1年1組の中は半数以上が知らない人でした。そのときの不安とか、期待とか、複雑な心境が、昨日のことのように思い出されます。
1年生のみんなも、この時期、いろいろ感じながら新しい中学校生活を送っていることでしょう。その中で、学級目標や学年目標が決定し、この1年間、みんなでめざすものがはっきりすると、少しほっとする気持ちが生まれているのではと想像します。
本気・根気・元気!
応援しますよ、1年生。
あ!当然、2年生、3年生も、そして、教職員も・・・。
上の3枚目の写真は、校長室の机の上に置いてある花です。これが不思議と長持ちしていて、ずっとわたしの心を和ませてくれています。水を替えてくださった○○さんに、「長く咲いてますよねぇ」と声をかけると、「きっと、入れ物がスズだからかもしれませんね」と言われました。確かにそのような話を聞いたある気がします。どのような器に活けるかによって、元気にその命を全うする花、すぐにしおれて花弁を散らす花、いろいろです。
我々人間も、同じかな。 -
第17号 給食に想う
- 公開日
- 2021/04/26
- 更新日
- 2021/04/26
校長室より
学校生活で給食を楽しみにしている生徒や、楽しみにしていた元生徒の方は少なからずおられると思います。
手前味噌になるかもしれませんが、わたしが中学生の頃より、最近の給食はずいぶんとおいしくなりました。
当時はほとんどがパン食で、週に一回のお米の日がわたしは好きでした。今ほど温かくない、ビシャビシャのご飯だった気もしますが、わたしはその曜日がうれしかったです。
クジラの肉もよくでました。よくケチャップで和えられていましたが、ごちそうでした。
ソフト麺の日や、牛乳に入れるとコーヒー味になる○○メイク(商品名なので○○と表現します)のある日もごちそう感覚でした。
とにかく早く食べておかわりをするとか、早く食べて体育館やグラウンド等の場所をとるとか、おかげさまで早く食事ができる身体になりました(これは嫌みで言っているわけでなく、教師になって担任しているときは大変ありがたいことでした。健康上はよろしくないのですが・・・)。
昔話が長くなりました。歳をとった証拠ですね。反省して、今日の出町中学校の給食風景を紹介します。それが上の写真3枚です。
新型コロナウイルス感染症対策として、密を避け、飛沫の飛散を押さえ、手指消毒に留意すると、この写真のように、ワゴン車の移動も密を避け、密を避けるために廊下で配膳して自分の給食を自分がとり、配膳に時間がかかるために準備できた人から前を向いて静かに食べています。写真にはありませんが、配膳の前に石けんによる手洗いを確実に行い、食べる直前にマスクを外しています。
グループで机の向きを変え、わいわい言いながら給食を食べるスタイルは見られません。
静かに、食事します。
果たして以前のような状態にいつ戻ることができるでしょうか。完全に戻ることはかなわなくても、会話を楽しみながら食事ができるようにはなってほしいと思います。食事をしながらの会話は、大人にとっても、子供にとっても人間関係づくりにおいて大切な時間だからです。
県独自の判断指標がステージ2へ移行する基準に到達してから数日が経過し、警戒レベルが4月23日(金)午前0時からステージ2に引き上げられました。
高い緊張感をもって行動することが求められています。
ゴールデンウイークを控え、砺波市内の中学校は地区外の学校との練習試合や、対外試合に参加する場合は、保護者の同意がなければ参加できないこととしました。
給食時にも本校では上記のような対応をとっていますが、朝、生徒が登校してから夕方に下校して無事に自宅へ帰るまで、安心・安全な学校であるための取り組みに終わりはありません。
情報を集め、考え、実践する。
課題があれば、考え、改善する。
この繰り返しですが、決して無駄なことはなく、未来につながることだと信じています。
東京、大阪など非常事態宣言が発出されている都府県ほど数字的に富山県は深刻ではないととらえることなく、できることを毎日粛々と実践するのみです。 -
第16号 素敵でうれしい
- 公開日
- 2021/04/23
- 更新日
- 2021/04/23
校長室より
「○○先生、おる?」
「いらっしゃいますか、やろ!」
これは、昼休みに職員室前で生徒同士が交わしていた会話です。
○○先生に用事のある生徒が職員室前にやってきて(※ちょうど、校長室前)、先に来ていた生徒に、尋ねたのです。
自分たちでよりよい姿を指摘し合えているところがすばらしいと、校長室で聞きながら感じました。
あ!
盗み聞きではなく、単純に聞こえたのですよ。
換気のために廊下側の高窓が開放されているので、廊下の会話がよく聞こえるのです。
単純にわたしの集中力のなさを暴露しているとも言えますが・・・。
今日は午前中に1、2年生の歯科検診があり、校医さんが時間をかけて丁寧にチェックしてくださいました。
「個人差はあるけれど全般的によく歯磨きがなされており、虫歯も以前から比べると減っている」と終了後に聞かせてくださいました。
歯という漢字は、年齢の「齢」にも使われているように、昔から一生を通して大切なものだと認識されていたようです。乳歯から生え替わってからはもう生えてきませんから、大切にしたいものです。
サメのように、歯の後ろに新しい歯が準備されており、折れたらすぐに生え替わるようなシステムがうらやましく感じることもありますが、こればっかりは仕方ありません。
出中生よ、今後も歯を大切にしていきましょう。
と、思いつつ、少し痛みを感じる歯をさすりながら外へ出ると、保健体育で陸上の学習がグラウンドで行われています。
生徒たちが見守る中、教師がスタートの仕方のお手本を示します。
「やってみせ、言ってきかせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」という、人を育てる極意を示す言葉があります。
実技の学習でも、イメージをもって学習に取り組む場合と、イメージをもたずに学習に取り組む場合とでは、その効果に差が出ます。
ですから、まずやってみせる、お手本を示すという指導法は昔からの定番です。
「学び」の語源は「真似び」ですから。
タブレット等で自分の姿を記録し、自分自身で見返しながら学習を進めることもあります。
一人1タブレットの学習が本格的に始まる今年度は、今まで以上にイメージをもって学習に取り組む授業方法を工夫することが肝要でしょう。
これは、決してタブレットを使うことが授業の目的ではなく、学習の目標を達成するために、効果的にタブレットを使う授業が大切であるという意味です。
今日も、出町中学校の中で、素敵でうれしい場面が多く見られます。ありがたいことです。 -
第15号 教職員の本気
- 公開日
- 2021/04/22
- 更新日
- 2021/04/22
校長室より
今朝も朝早くから校舎の窓が開放されています。当たり前のように、普通教室とは反対の位置にある1階の会議室・PTA室前から美術室、技術室に続く廊下の窓も開放されています。
本校の窓は集中管理で自動的に開閉するシステムではありませんから、人力での開閉です。
生徒玄関はまだ開錠していない時刻ですから、教職員が新型コロナウイルス感染症防止対策のため、換気に留意して動いています。当たり前のことではなく、ありがたいことです。
富山県は明日の午前0時から、新型コロナウイルスの県独自の警戒レベルを「ステージ2」に引き上げます。
いっそう安心・安全の確保に留意する必要があります。
学校を回っていると、1年生が美術の時間に中庭で学習をしていました。
石を触り、その感触を60秒でスケッチブックに表現しています。
「ああ、わたしもやりたいなぁ」というのが、最初に感じたことです。
青空の下、自然を感じ、それを表現する。
短い時間でメリハリのある思考活動がある。
教師の指導のもと、生徒たちは集中して本気で学習に取り組んでいました。
教師たちは日々指導法等を工夫しながら、本気で、根気よく、元気に、教科指導に取り組んでいます。
そんな様子を見ながら、生徒たちがよりよく成長する姿を思い描きます。 -
第14号 111
- 公開日
- 2021/04/21
- 更新日
- 2021/04/21
校長室より
昨夜、令和3年度出町中学校文化・体育後援会の新旧正副会長会がありました。お忙しい中、新旧正副会長様に来校いただき、5月に開催予定の理事会、総会資料を確認させていただきました。本校が多くの地域の皆様に支えていただけるのは、正副会長様方や役員の皆様に尽力いただいているおかげです。誠にありがとうございます。生徒たちはこのありがたさに共感してくれているかな。
出勤すると、毎朝、生徒たちが登校する前には教室の窓が開いています。新型コロナウイルス感染症対策で、換気をするためです(※今後は教室の熱気を逃がすための換気という意味も大きくなります)。昨夜の文化・体育後援会の会合でも新型コロナウイルス感染症の話題が多く出ましたが、このような状況で教育活動を続けるために、誰かが生徒たちの気付かないうちに安心・安全を確保するために活動しています。
グラウンドのスタンドで、担当の授業がない時間に除草をしている教師がいます。おかげで、きれいな状態が保たれています。この教師だけでなく、多くの教職員が環境づくりに努めてくれています。地域開放で使っておられる利用者の方も、やってくださっているでしょう。
このようなことが見られるのは学校ばかりではありません。誰かが社会のために活動してくれています。何かが、地球の生態系を支えてくれています。今この瞬間は当たり前ではないのです。
本日14:30頃、複数の小型ジェット機T4が本校上空を飛行しました。明日のとなみチューリップフェアの開幕に合わせて飛来するブルーインパルスが、準備のためにテスト飛行したのです。
自分の知らないところで、自分の知らない多くの方が、それぞれ本気で根気よく元気に活動され、その結集した形としてこの世の中が成り立っていることを再認識します。
「111」
今日は、令和3年になって111日目です。
ワンワンワン。
一歩、一歩、そしてまた一歩。
自分自身のできることを、本気・根気・元気で実行していきたいものです。
「歩」という漢字は「少し止まる」と書きます。
しんどかったり、疲れたりしたときは少し止まって今来た道を振り返ったり、これから進むあたりを眺めたりして、「よし!」と思えばまた進み出せばよいでしょう。
天資養活、自他共栄。
どのようなことでも、とにかくやってみよう!
本気・根気・元気なのです。 -
第13号 悩ましい脳(のう)
- 公開日
- 2021/04/20
- 更新日
- 2021/04/21
校長室より
1限目にグラウンドを使って2年生が保健体育の学習をしていました。
授業開始後、体力づくりとして、腕立て伏せや腹筋などのサーキット・トレーニングが始まりました。
大型タイマーを使って自分の記録をファイルに書き留めて、自分の成長を数字で観られるように工夫されています。
トレーニング後、「これから、グラウンドを2周走ります」と、指導者から説明がありました。グラウンドを走るときに、記録用紙が飛んでいかないように、指導者が声をかけています。「必ず、体育実技の本をファイルに挟んで、飛んでいかないようにしておきましょう」。きっと、今まで記録用紙を飛ばしている生徒を何人も見ているからの指示でしょう。
また、グラウンドを走るときは新型コロナウイルス感染症対策のため、他の人との距離を意識しながら走ルようにも声かけをしています。特に、前後は2mはあけるように、注意喚起されていました。安心・安全が基盤となっての学校教育です。
校舎内に入っても、各教室では様々な学習活動が展開されています。
そんな様子を見て回っていて、ふと、想像します。
朝、登校するとき眠そうにしている生徒は、よく眠れていないのかな?
眠れないような心配事か、逆にうれしいことがあったのかな?
もしかしたらテレビやデジタル機器を利用する、スクリーン・タイムが長いのかな?
妄想はどんどん膨らみます。
特に、今日のような青空の下で身体を動かしている生徒を見ていると、朝の登校の様子と、家庭での生活の様子とが、なぜか妄想でつながります。
昨年の11月20日に、アンディシュ・ハンセン氏の「スマホ脳(新潮新書)」という書籍が発行されました。最新研究が示す恐るべき真実として、デジタル時代に対する危惧を伝えています。詳細は読んでいただきたいのですが、例えば、デジタル機器が若者の睡眠時間を減らし、集中力を低下させ、孤独感を高め、さらにデジタル依存状態にすることを、根拠や事例を基に述べています。なかなかに衝撃的な内容でした。動画でiPadベイビーを初めて観たときの衝撃と似ていました。
文章の最後にはアドバイスとして、デジタル機器の利用時間を制限し、紙の書籍を読んだり、手で書いたりする教育が大切なことや、散歩やランニングなどの心拍数を上げる運動をすると集中力が高まることを教えてくれています。
今年度から本格的に一人1タブレットの学習がスタートしますが、学校教育においても、家庭教育においても、デジタル機器の利用については細心の注意を払わなければと考えさせられます。特に、脳の発達段階にある子供たちにとって、その影響は深刻だと考えられるのでなおさらです。授業において、メリハリをつけた使い方をしないと、集中して学習に取り組むことが難しくなる可能性があります…。これは、学習効果が落ちることを意味します。
青空の下、それぞれの表情でグラウンドを走る生徒や、各教室でそれぞれの教科の学習に本気で根気よく取り組む生徒たちを見ながら、大人の責任を痛切に感じます。
この生徒たちのよりよい成長のために、どのようにデジタル機器を利用するのか、大人はその危険性に十分留意しながら、有効な方法を工夫することが求められています。
悩ましいことです。 -
第12号 刺激を受ける
- 公開日
- 2021/04/19
- 更新日
- 2023/12/15
校長室より
本日、同窓会長様、副会長様をお迎えし、第74回創校記念式を実施しました。
記念講演は砺波工業株式会社 代表取締役社長 上田信和様をお招きし、全校生徒に「夢をもちましょう」と題して語っていただきました。
新型コロナウイルス感染症感染予防のため、全校生徒が一度に体育館へ入場することはできませんから、1年生はリモートでの参加としました。
体育館でも、教室でも、生徒たちは同窓会長様や、上田様のお話を本気で聴いていました。
出中生の力を感じます。
上田様は、中学生が理解しやすいようにと、プレゼンテーションソフトの資料を準備してくださり、分かりやすい言葉を選んでお話してくださいました。
座右の銘として紹介された「疾風に勁草を知る」について、講演終了後、お礼の言葉を述べた生徒会長が、「その意味の大切さを感じた」と話してくれました。
上田様の講演の中でも紹介いただいたのですが、今、校長室の入り口の掲示板にその言葉を示してあります。
「疾風知勁草」
中国の「後漢書」王覇伝に書かれている言葉です。
一度滅びた漢の国(前漢)を再興し、後漢を築いた16代光武帝を支えた雲台28將と呼ばれる功臣団の序列23番目にいた王覇のお話です。
王覇は若い頃、与えられた役に不満をもって、自分はこんな器ではないと、劉秀(後の光武帝)の軍列に入りたいと願い出て拾われます。王覇は頭角を現し、高官へと出世します。そして河北攻略に従軍するのですが、河北攻略は困難を極め、最後は王覇一人になります。旗揚げ当時に付き従っていた者たちが、次々に離れ去ってしまったのです。劉秀(光武帝)はこのとき、王覇に「わたしに従ってきたものは皆去って行き、今ではおまえ一人になった。よく努めよ。困難の中にこそ、その人間の本質というものが輝くのだ」と言います。このとき使った表現が、「疾風に勁草を知る」だったようです。※やや不勉強であり、不確か情報ですみません。
最後まで苦難を共にしてくれた王覇の助けもあり、劉秀(光武帝)は天下を統一して、後漢王朝を開き、光武帝となります。
志をもって最後まで主君を信じ、支えきる。
「本気」「根気」「元気」にも、通じていませんか?!
この他に、今中学生として何が大切かというお話もあり、大変貴重な時間となりました。上田信和様、誠にありがとうございました。
また、創校記念式を支援していただいている同窓会長様をはじめ、同窓会の皆様、ありがとうございました。
蛇足
講演を終えて、2、3年生の拍手の中、体育館を退場された上田様が1年教室前を通過された際、リモートで参加していた1年生が、教室から感謝の拍手をする姿がとてもうれしかったです。
出中生、さすがです。
学校日記 school diaryメニュー