中庭

学校日記 school diary

第4号 初心忘るべからず

公開日
2021/04/07
更新日
2021/04/07

校長室より

今朝、学校を回るといろいろな場所で「愛」を感じました。

新入生に向けて、新2年生が入学のお祝いの気持ちを表したメッセージが、各教室の廊下掲示板や黒板にあり、後輩を思う先輩の「愛」を感じます。

新年度がスタートして2日目を迎える生徒たちに、想いを伝える担任メッセージがあったり、生徒一人一人の机に配布物がセットされていたり、各担任の「愛」を感じます。

玄関前では、新入生の保護者受付用のテントを朝早くから担当教師と共に設営している生徒がいます。これも、新入生への「愛」でしょうか…。母校への「愛」でしょうか…。

それぞれの場所で、それぞれが自分のやることを考え、「本気」で取り組んでいるように感じられ、朝からうれしくなりました。

朝の会が終わり、職員室へ用事でやってきた新3年生の○○さんが、「失礼します!2年、あっ!!、3年○組の○○です。□□先生に用事できました。」と、元気よく挨拶をして入室します。まだ、3年生に慣れていない初々しさがとても新鮮です(※用事が終わった後、思わず「今のことをHPに書いてよいですか?」と○○さんに許可を取り付けました。「いいですよ!」と、笑顔で答えてくれ、何ともさわやかです)。

生徒も教職員も、この時期の気持ちを忘れないでいたいと感じた朝でした。

「初心忘るべからず」

この言葉は、世阿弥の言葉とされています。「最初のころの志を忘れてはいけない」といった意味で使われますが、世阿弥が言ったことはそれだけではないようです。

60歳を過ぎた頃に書いた「花鏡」の中で、世阿弥は、
第1に「是非の初心忘るべからず」
第2に「時々の初心忘るべからず」
第3に「老後の初心忘るべからず」
と、3つの「初心」について語っています。

「是非の初心忘るべからず」では、若い時に苦労して身につけた芸は、生涯忘れてはならない、と言います。

「時々の初心忘るべからず」では、経験者であっても初めて演ずる能では初心者であり、その時々の演技をその場限りにしてしまっては、次に演ずる時に何も残らない、と言います。

「老後の初心忘るべからず」では、老後になって歳をとっても、初めて習うことを乗り越えなければならない、と言います。

このように、「初心忘るべからず」とは、若い頃や、初めて経験した時に感じたことを忘れないということだけでなく、その時々の未熟さを受け入れ、新しいことに挑戦していく気持ちや、姿勢を忘れてはならない、ということでしょう。
「いくつになっても、初心者に戻って自分を見つめ直す。」
わたし自身、大切にしていきたいです。

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