中庭

学校日記 school diary

第10号 何を基準とするのか

公開日
2021/04/15
更新日
2021/04/19

校長室より

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校舎内を回っていると1年生が数学に取り組んでいました。「正の数と負の数」の学習で、「ちがいを符号を使って表す」内容です。

黒板に、立山と剱岳の標高が書いてあります。
富山県民にとって身近に感じられる数字を使っての学習です。
○○先生は「標高は何を基準にするのでしょう」と、社会科の学習とリンクする問いかけをしています。基準とのちがいや反対の性質をもつ数量を符号のついた数で表すことができることや、基準のとり方と表される数の関係について考察し説明することができることが、この学習のねらいですから、基準を意識させるのは大切なことです。

と、考えていると、ふとあることを思い出しました。
このページをご覧いただいているみなさん、次の問いに答えられますか?

問題「世界一高い山は、何という山でしょうか?」

おそらく「エベレスト」と答える人が多いでしょう。
ちょっとひねって「チョモランマ」と答える人も多いでしょう。
この二つの答えにしても、基準が何かで違っていますね。どこの国の呼び方を基準にしているかです。ただ、今回はこのことを言いたいわけではありません。

「エベレスト」も「チョモランマ」も正解と言えますし、間違いとも言えます。

問題文が「世界で一番標高が高いのは、何という山でしょうか?」であれば、その答えは「エベレスト」「チョモランマ」で正解です。※標高とは何を基準にするのかはまた別の機会に。

結局、問題文がよくないのです。基準が何か、この問題文から分からないからです。

「高さ」の基準を、地球の中心と考えれば、「山頂が地球の中心から最も離れている場所」が答えとなります。その場所は、エクアドルのチンボラソ火山(標高6268m)のようです。自転により、地球の赤道付近が膨らんでいるせいです。
「高さ」の基準を、近くの海底とすれば、「山頂が海底から最も離れている場所」となります。その場所は、アメリカ・ハワイのマウナ・ケア山(標高4205m)です。10203m離れているようです。※「です」と、言い切っていますが、やや自信がないので、理科年表なりなんなりで是非確認していただければと思います。

そんなことを考えながら、廊下に出ます。
1年生の教室前に、「中学生になって」と題した、それぞれの決意や意気込みが書かれています。
どれを読んでも、わたし自身が元気になりました。
他の人の文章を読んで刺激を受けることは、この歳になっても自分の成長のために意味がありますね。

ただし、成長を意識するための基準は今の自分自身であり、他の人ではないでしょう。「今日の自分は、昨日の自分と比べて、どれだけ成長できたかな?」と振り返ることは大切だと思います。
さて出中生のみなさん。昨日の自分と、今日の自分。
その違いに気づけていますか?
教師はその違いを、気づかせられているでしょうか?

その違いの積み重ねが、未来の自分となります。

これは、出中生だけでなく、大人にも通じることですな。