五色百人一首 12/14 492号
- 公開日
- 2023/12/14
- 更新日
- 2023/12/14
校長室
2年生の生活科の授業にお邪魔しました。4人グループになって五色百人一首をしていました。五色百人一首とは、小倉百人一首の100首の和歌をその分かりやすさによって、各20首5組の色にグループ分けしたもので、おもに教育現場で使われることを目的として作られました。五色百人一首かるたの取り札の裏には、和歌の上の句が記載されており、遊びながら和歌を学べる工夫が施されています。
20枚だけのかるたを並べて、担任の先生が上の句を読みます。中には、下の句を暗記していて、読まれる前にかるたを取り、級友から拍手喝采を浴びている子供がいました。20枚というのが、実に下学年に取り組みやすく子供たちは盛り上がっていました。百人一首大会が始まると、年の瀬の到来を実感します。学校へ登校するのも今日を含めてあと7日間となりました。子供たちには、この百人一首大会を通して和歌に慣れ親しんで欲しいものです。
話は変わりますが、約50年前の私が小学校6年生の頃の話です。当時の担任の先生が突然こんなことをおっしゃいました。「皆さん。今の昭和天皇は何代目か知っていますか?」「・・・・・。」「答えは124代目です。皆さんに1箇月の時間をあげますから、初代神武天皇から124代目の昭和天皇まで全天皇の名前を覚えてきなさい。1箇月後にテストしますから・・・。」
同級生は必死で124人の天皇の名前を覚えました。私は、試行錯誤しながら最終的には単語帳に書いてトイレでも何度も読み返し覚えました。また、印字されていない広告の裏に、何回も天皇の名前を書いて覚えました。私の場合、同じ名前を13回書くと記憶できることが分かりました。後で分かったのですが、この担任の先生に感謝の念が膨らんできました。覚え方まで指示を出さず、各自が試行錯誤しながら自分なりの暗記法を見出しました。この点は、現在の学習指導要領の「個別最適な学び」に通じるものがあると思います。この時期に見出した暗記法を中学でも高校でも使い続けたのを覚えています。
ご家庭でも、是非冬休みに家族で百人一首大会を行って和歌に慣れ親しんでいただければと思います。