学校日記

美味しい大門素麺の季節到来 6/13 398号

公開日
2023/06/13
更新日
2023/06/13

校長室

 砺波市の大門営農組合は昨日、市内の畑で、大門素麺の原料となる小麦の刈り取りを始められました。栽培面積は、23.5ヘクタールで、昨年10月に播種をされ、順調に成長した小麦の刈り取りをしておられました。素麺用の品種「さとのそら」を刈り取り、小麦は乾燥や調整、小矢部市の製粉会社での製粉作業を経て大門素麺になります。大門素麺作りには、他県産の小麦とともに使用されるそうです。

 富山の有名な素麺、「大門素麺」は、砺波市大門地区に江戸時代から伝わる高級な手延べ素麺です。砺波市の自然豊かな環境の中で、「大門素麺」は長い期間に渡って作られてきました。また砺波には、美味しい郷土料理がたくさんあります。地元で作られている、安全で新鮮な美味しい食材とともに、「大門素麺」は美味しい高級ブランド麺として多くの人たちに人気があります。

 「大門素麺」の特徴的な形についてご紹介します。「大門素麺」の形はとてもユニークです。「大門素麺」の形は、長い素麺が丸まげ状に巻かれています。なぜそのような形になったかというと、かつて俵で素麺を出荷していた時に、素麺を折れにくくするために丸まげ状に作られたようです。さらに、その丸まげ状の形が女の人の「島田まげ」に似ていることから「大門素麺」は、別称「丸まげ素麺」、「島田素麺」とも呼ばれています。

 高級なブランド麺、「大門素麺」はどのようにして生まれたのでしょうか。また、高級な「大門素麺」はどのようにして、富山の砺波市大門地区の名産品として今日まで受け継がれてきたのでしょうか。ご紹介します。「大門素麺」が生まれた時代背景とはどのようなものでしょうか。砺波市大門地区で素麺作りが始まったのは、江戸時代の後期1848年からといわれています。

 「大門素麺」のルーツは石川県です。石川輪島市というと、その当時は素麺の生産地として栄えていました。同じように、石川の蛸島も素麺の生産地として、多くの素麺が作られていました。蛸島に大門地区から行商人として訪れた人が素麺と出会いました。後に、大門地区出身の人が素麺の製法を教わりに行きました。そして、大門に戻った時にその製法を広めました。そこから「大門素麺」の生産が始まりました。

 「大門素麺」の美味しさの秘密はどこにあるのでしょうか。「大門素麺」は、どのように作られているのでしょうか。「大門素麺」の美味しさを知ることのできる、「大門素麺」のこだわりの製法に関する情報をご紹介したいと思います。機械化が進んで、簡単に時間を短縮させて様々なものが作られている時代にあって、「大門素麺」は、ほとんどの工程が手作業で作られます。

 「大門素麺」作りは、寒さが厳しくなり、空気の乾燥する冬の時期に作られます。10月から翌年の3月にかけて作られます。質の良い小麦粉を使い、時間をかけて捏ねたものを一晩寝かせます。「大門素麺」は、その日の気温や湿度によって、塩水の量や熟成時間を変えて作られます。

 寝かせたものを板状に伸ばしてから、より合わせて細く長く伸ばしていきます。伸ばされた麺を「はさ」と呼ばれるさおにかけて、下の方をゆっくり引っ張っていき、さらに伸ばしていきます。このようにすることによって、よりコシが強い素麺にになり、美味しい「大門素麺」となります。「はさ」にかけて乾かされた素麺は、半乾きの状態で丸まげ状に手作業で丸められます。さらに乾燥させます。時間をかけて丁寧に作られた「大門素麺」は、コシの強い美味しい素麺に仕上がります。

 昨日刈り取り作業をしておられた今村博信生産組合長さんは、昨年まで2年間「庄南っ子育成推進協議会長」を務めていただいた方です。よく聞かせていただいたのは、「大門素麺作りは、冬場の作業が過酷で担い手不足が課題」という話です。今シーズンも生産者に感謝しながら、好物の大門素麺を頂きたいと思います。

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