中庭

学校日記 school diary

作用・反作用 no.536

公開日
2023/06/08
更新日
2023/06/09

校長室より

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朝、壁にしこたま右手をぶつけてしまいました
自分の身体のサイズ感を把握できなくなっていることは置いておいて、ある意味、手で壁に対して力を加えたにもかかわらず、なぜ痛い思いをするのでしょう?

これは中学校の理科で学習する「作用・反作用」で、その理由を説明することができます
高等学校で物理を学習すれば、運動の第3法則としても詳しく学びます
2つの物体があって、一方が力を及ぼす(作用)場合、もう一方は向きが反対で大きさが等しい力を及ぼす(反作用)というものです
一方だけがもう一方へ力を及ぼすことはなく、必ずその反作用が存在します

わたしは人間関係等においても作用・反作用があり、それがはっきりしないとモヤモヤする元になると考えます
個人的に音楽を聴くときには、直接演奏者の音を感じられるLIVEが好きなのも、このせいかもしれません
現場で作用・反作用の具体を体感し、すっきりさせたいのでしょう
ストレートに反応が欲しいと言えばよいでしょうか

人間関係において大切な、あいさつではどうでしょう
「おはようございます」と誰かに言って、反応がない場合があります
ちょっとがっかりですが、ここで注意が必要です
相手が「おはようございます」と言わなくても、反応している場合があるからです
少しうなずくは、反応です
ピクリと眉を動かすのも、反応です
プイっとあっちを向くのも反応です
決して、「おはようございます」に対する反応は「おはようございます」だけではありません
特に思春期真っただ中であれば、その反応には別の力がはたらいて、単純な作用・反作用とはならない場合があります
中学校教師として生活していると、そういうことを理解できずに傷ついたり、悩んだりすることもありました
自分の思っている反応がすべてではないことを、中学生からたくさん教わりました

何かに身体の一部をぶつけて、痛い思いができることは、はっきりとした自然からの反応であり、シンプルに喜ばしいことです
ただ、分かりにくいからこそ、その反応に気付けたときや、その反応が変化したときに喜びを感じるのも教師です

はたらきかける
その結果、こどもの実態を知る
その結果、こどもの成長を感じる
そして、そのことを相手に伝える
教師がしていることは、この繰り返しかもしれません

今朝から生活向上委員会による「あいさつ運動」が始まりました
委員会で決められたこの運動の目的は、「学校中に、さわやかなあいさつを交わせるような雰囲気をつくる」です
「さわやかな」「雰囲気をつくる」となっているところが、個人的に素敵だと感じています
やってみることでまたいろいろなことを学ぶことができます
出中生の成長が楽しみです