トロポミオシン no.377
- 公開日
- 2022/10/14
- 更新日
- 2022/10/14
校長室より
今日も出中生は当たり前のように学習に取り組んでいます
1年生の国語科では論説文を題材として文章の構成について考える授業が展開されていました
自分で考える時間、周りの人と共に考える時間が設定されています
他と交流することで自分の考えについてより自信を深めた場面、自分では気付けなかったことに気付けた場面、全体の場でそれらの学習活動をベースに自分の考えを述べる場面、どの場面でも出中生がその中心にいます
発せられる考えを受け止める周りの出中生の姿も素敵です
授業の中だけでなく、学校生活の中で、いや学校外であっても、他の人と意見を交換しながら自分の興味のあることや疑問に思うこと、困ったことなどについてより良い方向へもっていくことのできる力を磨いています
そんな環境があれば、自由な発想で、集団の力をより発揮し、素敵な集団、社会をつくっていけるでしょう
「そこはこんな環境だったのだろうな」と思わせるエピソードがあります
科学研究のお話です
2022年9月9日付で「Scientific Reports」に、シジミ汁に関する大真面目な論文が掲載されました
※「Scientific Reports」は、ネイチャー・リサーチ社によって刊行されているオンラインでオープンアクセスの学術雑誌であり、今もこの論文はホームページから閲覧できます
https://www.nature.com/articles/s41598-022-17911-8.pdf
しじみ汁を作る時に、熱した水にしじみを鍋に入れると、水が白く濁ります
なぜ白くなるのかは、これまで明らかにされていませんでした
そもそも研究する人がいなかったともいえるかもしれませんが・・・
このことを探求した研究です
島根大学生物資源科学部生命科学科の秋廣高志助教、石田秀樹准教授、安井凌さん(研究実施当時4年、令和2年3月卒業)らが、白い物質の正体を明らかにすることを目標に調査を行い、白濁の原因物質はタンパク質であるトロポミオシン(筋肉を構成するミオシンを構造的に束ねる役割を持ったタンパク質)であることを解明しました
ちなみに、しじみ以外の貝についても調査され、はまぐり、赤貝、ホンビノス貝、ホタテ、牡蠣などでも白濁することがわかり、その原因物質がトロポミオシンであることが確認されました
また、タンパク質は一般に熱に弱いのですが、トロポミオシンは耐熱性を持ったタンパク質であることも分かりました
今後、耐熱性を持った酵素(タンパク質)を作る研究が、工業的に使われるタンパク質について行われ、耐熱性タンパク質を構築する基礎的な研究の重要な材料になると考えられます
しじみ汁の美味しさにトロポミオシンは関与していないようですが、白濁が増せば増すほどスープは美味しく見えるので(個人的見解?)、見た目が良く美味しいスープを作る上で、しじみ汁に含まれるトロポミオシンを利用することが今後考えられるとも述べています
面白い!興味深い!!と思うのは私だけでしょうか?
出中生も、興味のあることや疑問に思うことをとことん探求してみませんか
それは学校のテストには出ないことかもしれませんが、ものすごいことかもしれません
ノーベル賞を受賞するような研究も、最初のきっかけはちょっとした興味や疑問ということもあります
これは研究だけでなく、何事においても通じることかもしれません
掲載誌:Scientific Reports
詳細はhttps://www.nature.com/articles/s41598-022-17911-8.pdf
「Tropomyosin micelles are the major components contributing to the white colour of boiled shellfish soups」
Takashi AkihiroRyo YasuiHideki Ishida
Research Open Access
09 Sept 2022「Scientific Reports」Volume: 12, P: 1-11