中庭

学校日記 school diary

第170号 ほめる

公開日
2021/12/01
更新日
2021/12/01

校長室より

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昨日、本校で砺波市内の小中学校から各校1名の担当者と希望者による、「ICT活用研修会」が開催されました
今年度から児童生徒一人に1タブレットの環境が整い、市内の小中学校でも、本校でも教育活動での活用について、試行錯誤しながらよりよい方法を探っている状況です
市内小中学校での教育活動がより充実したものになるように、研修を重ねている砺波市教育委員会が進めるICT兼任研修会とも兼ねた研修会で、講師として放送大学教授の中川一史先生をお迎えしました
兼任研修会のメンバー以外の市内の先生方も多く参加できるようにと、授業等への影響が少ない15時からの研修でした
オンラインでの参加者もありました

せっかくこの分野での第一人者である中川教授をお迎えするので、少し早めに来校いただき、本校の授業の様子を観ていただくことができました
中川教授からは、「どの学級も学習の雰囲気が落ち着いていますね」と褒めていただきました
ありがたいお言葉です
教師も積極的にICTを活用する意識があり、大きな伸びしろ部分をご指導いただきました

褒めていただく
ご指導いただく

短い時間でしたが、その時間以上に充実した、わたしにとってうれしい機会になりました

さて、わたしはなぜうれしくなったのでしょう
第一人者の中川教授からいただいた言葉だからでしょうか
中川教授のおかげで、モヤッとしている部分がクリアになったからでしょうか
本校の生徒や教師のよいところを褒めてもらえたらでしょうか

よく、人を育てるには褒めなさいと言われますが、褒めると言うことはとても難しいと感じることが多いです
今回の中川教授の言葉とわたしの感情の関係を考えていると、数年前に新聞記事になっていた脳研究者の池谷佑治さんの話を思い出しました

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(略)
長女が4歳になるまでの成長を本にしました。
「脳研究者って、そうやって子どもの成長を見るんですね」と言われて初めて、多くの人は僕のような視点で子育てを捉えていないと気付きました。
僕は脳研究者の視点からしか娘を見ることができません。
熱心に絵を描いていたら「頑張って描いていてえらいね」と行為をほめるのではなく、「この絵、好きだなあ」と作品をほめないと、娘の脳が「ほめられたいから私は絵を描いているのかな」と誤解してしまう!と。

子どもの成長過程は狩りの時代から変わりません。
人類にとって不変のものだから、娘たちが大人になって社会が変わっていても、僕の書いた成長の記録は娘たちの心に響くと思っています。
(2017年12月17日付 東京新聞朝刊)
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この記事を読んでからも、わたしは行為で褒めてしまいがちです
中川教授は学校の学習に向かう雰囲気を褒められました
行為ではありません
わたしがうれしかったことと、このことは関係があるような気がします


蛇足
書籍名:「パパは脳研究者」
著者:池谷 裕二
出版社:クレヨンハウス (2017/8/10)