中庭

学校日記 school diary

第124号 敬遠

公開日
2021/09/24
更新日
2021/09/24

校長室より

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昨日の秋分の日
いつもはあまり観ない野球の生中継を、たまたま、久しぶりに観てしまいました

アメリカ大リーグ、ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手
22日(日本時間23日)、本拠地でのアストロズ戦、「3番・指名打者」で先発出場です
初回2死走者の第1打席、4回先頭打者としての第2打席は、2打席連続フォアボール
逆転して迎えた7回2死2塁の第4打席、延長10回の第5打席は2打席連続の申告敬遠
本塁打王争いの中で勝負してもらえず、スタンドからは大ブーイングでした
今日の試合でも大谷選手は2四球だったようで、特に野球ファンでもないですが微妙な気分になります
今季のホームラン王は難しいかな・・・

今日までの大谷選手の四球数は84
※ちなみに、メジャー歴代最多はバリー・ボンズ選手の2004年シーズンの120個

23年前、1998年5月28日サンフランシスコ・ジャイアンツ対アリゾナ・ダイヤモンドバックスの一戦
ダイヤモンドバックスが8対5でリードして迎えた9回裏、ジャイアンツは1アウト後、3四球などで1点を返し、2死満塁のチャンス
そして打席には、このシーズン歴代最多73本塁打を放つことになるバリー・ボンズ選手
最高の場面で最高の打者に回ったことで、沸き立つホームのジャイアンツファン
しかし、ダイヤモンドバックスはここで敬遠を選択
当然のように大ブーイングです
ジャイアンツは何もせず1点をもらったわけですが、次の打者が倒れ、結果的にダイヤモンドバックスが勝利します
当時の監督バック・ショーウォルターは「空いているベースは常にある その夜はホームが空いていた」とインタビューに答えています

日本では、高校野球での松井秀喜選手5打席連続敬遠が印象的です
※阪神・掛布選手、中日・宇野選手の1984年10連続四球もありますが・・・

これもたまたまテレビ観戦していました
1992年8月16日甲子園球場で行われた、第74回全国高等学校野球選手権大会2回戦の明徳義塾高等学校(高知)対星稜高等学校(石川)戦
明徳義塾高校が星稜高校の4番・松井秀喜選手を5打席連続で敬遠します
試合後、マスコミなどでおおいに取り上げられ、高校野球の「勝利至上主義」について議論されました
第4打席、2死ランナーなしでの敬遠は、流石にびっくりした記憶があります
多くの人が「高校野球らしくない」「卑怯だ」というような発言をしました
そんな中、故 野村克也氏は、このとき次のようなコメントをしています
「ちょっと待て、それは野球の本質を見誤っているんじゃないか」
「敬遠が「卑怯な戦法」だったとしても、松井選手ほどの強打者であれば、敬遠されることを前提に作戦を立てなければならないだろう」
当事者の松井選手は当時、「歩かせるのも作戦ですから、自分がどうこう言えるものではない」と試合後のインタビューで語っています
この試合、結果として星陵高校は2対3で明徳義塾高校に敗れています

プロの大リーグの試合と、アマチュアの高校野球の試合とを同列で扱うことはどうかとも思いますが、「勝負」ということについて考えるには面白い話題だと感じます
そう言えば当時、道徳の時間でこの話題を扱っていた同僚が居ました
出中生は、大谷選手の敬遠をどのように考えるでしょうか?