第48号 情報
- 公開日
- 2021/06/02
- 更新日
- 2021/06/02
校長室より
今朝、地域の方から電話をいただきました。
校区の小学生が登校途中で転んでしまい、その痛さからか、悲しみからか、その場から動けなかったそうです。
それを見た本校1年生の、○○さんと、○○さんが安全な場所まで誘導するなど、声をかけて助けてくれたとのこと。
助けられた小学生は、大変うれしかったと家の人に伝えたそうで、電話してくださった方も、本校1年生の行動がとてもうれしく感じられたようです。
それで、わざわざ本校へ電話をいただいたという次第です。
朝からとてもうれしいニュースでした。
知らせてくれた○○教頭も「よいニュースです!」と、最初に教えてくれたほどです。
ニュースというのはとかく、気分が下がる話題が多いと感じませんか?
これは、人類が地球上に誕生してから今まで生き延びるために必要なことだったのかもしれません。
なぜなら、いち早く危険を察知し、回避しなければ命を守ることができないからです。
だから、今でも私たちはどちらかというと「気になる」話題に食いつきます。
そのことをマスコミは知っていますから、そのような話題を報道する機会が増えます。
これは決して「読者・視聴者獲得のため」「広告収入のため」という意味ではありません。
危険を周知し、国民を守るという側面があるのでしょう。
ただ、ネットの世界はそうとばかりは言えないように感じます。
SNSで「いいね」をたくさんもらうためや閲覧数を増やすために、人々の不安をあおる情報を流すとか、そのためには真実かどうかの検証は不十分でもかまわないとか、そもそもフェイクであってもよいとか・・・・。
そのことを分かってネットを利用しないと、余計な不安やストレスを感じることになります。
身を守るために情報を欲する人間が、悪意のある情報によって危険にさらされるという状況は悲しい限りです。
「インスタグラム」の責任者、アダム・モッセーリ氏が、いわゆる「いいね」疲れを解消するために、「いいね」の非表示機能を追加する、とNHKのインタビューで語っていました。
そもそもSNSの危険性を理解し、ある意味うまく利用してきたように感じるので、半分疑いながらこの発言を聴いてしまう自分がいます。
「今後数年でさらに機能を追加し、最も安全で心地よいプラットフォームになることを目指す」と彼は述べ、安全で快適なSNSを目指す考えを示したのですが、この後の動きを注視したいと思います。
このような状況ですから、中学生のSNSの利用について、多くの課題が指摘されています。
Twitterの利用に、年齢制限がかけられていることをどれくらいの大人が知っているでしょうか?
投稿の際のNGワードが設定されているようですが、そのワードに似たことばを使って代用していることを、どのようにすればよいでしょうか?(※例えば、「死」を「タヒ」とカタカナで表現し、アカウント凍結を回避する)
はたして我々大人は、本気で子供たちを危険から守れているのでしょうか?
守るために教育ができることは、子供自身に想像する力、考える力、そして自分で判断する力などを付けてやることだと考えます。
今日も、学校では生徒たちが全身を使って学習に励んでいます。
校長室前に掲示してある「本気で考える」シリーズの前で考えてくれている出中生を見ると、うれしくなります。
少しでも、想像する力、考える力を刺激できていたらと願っています。