「和」の心!? 1/20 310号
- 公開日
- 2023/01/20
- 更新日
- 2023/01/20
校長室
株式会社ストロークジャパン代表取締役やパッションジャパン株式会社COOなどを務めるビジネス コンサルタントの三枝 理枝子 (さえぐさ りえこ)さんは、客室乗務員を務めた経験から、「おもてなし」の専門家として様々な企業をサポートしておられます。三枝さんは、ある旅館のサービス向上を支援したときについて、著書では次のように紹介しておられます。
「おもてなし日本一」と名高いある老舗旅館の話です。現場のスタッフの間では、プロ意識ゆえに、「私が担当するお客様」への思いが強くなり過ぎて 、それ以外のことには目が行き届かなくなったケースがあったといいます。
「私」を「私たち」という意識に変えれば、どんなに素晴らしくなるだろうーそう考えた三枝さんは「この旅館に来てくださったお客様は、全て私たちのお客様」「みんなでお出迎えをして、みんなでおもてなしを」という方向へと意識を変えるように促されたとのことです。
客室への案内を担当するスタッフは、お客様との会話の中で「お連れの方とはどういうご関係なのか?」「どんなことを楽しみにおいでいただいたのか?」といったことを聴き出すと、その情報をスタッフで共有します。こうして、「どんなサプライズやサービスをすれば喜ばれるのか」について、複数のスタッフの知恵を結集するようになると、担当者一人で考えていた時よりもサービスの幅が広がって、お客様の満足度が高まったそうです。
この話を知った私は、20年程前の野球部顧問時代を思い出しました。「自分では一生懸命チーム作りをしているのに勝てない!」と悩んでいる時に、伊東与二氏(元高岡商業野球部監督)に相談してみました。返ってきた答えが「自分のチームを強くしたかったら、砺波市全チームの世話から始めたら・・・」でした。この言葉を聞いた直後は、半信半疑でしたが、とりあえず言われた通りに実践してみました。すると2年位経過した頃から結果が伴うようになってきました。後で思うと「視野を広げること」「複数のスタッフの知恵を結集すること」の大切さを教わった気がします。
学校の教育活動も同じだと思っています。本校の教職員にも自分の体験を交えながら「自分の学級だけ」の思いが強くなり過ぎないように促しているところです。