学校日記

自動車店の店長から学ぶ問題対応 6月13日 第202号

公開日
2022/06/13
更新日
2022/06/13

校長室

先日、自動車の修理を依頼して約束の時間に修理工場へ自動車を取りに行きました。すると、手違いがあって未だ修理が終わらず、終わったら自宅へ届けるとのことでした。私の心の中では、夕方の約束の時間に取りに来るためにスケジュール調整したのだから、それなら連絡の一本もあってもいいのにという思いと寛大な心でいなければという思いの2つで葛藤しました。
それからしばらくして県外の校長先生が執筆された新聞記事を読みました。
「大変申し訳ありません。うちのミスですので・・・」車の点検が終わるのを待っていた時、隣のテーブルからこんな言葉が聞こえてきました。マスク越しでも、店長と整備士が恐縮して謝罪している様子が伝わってきました。どうやら、点検後にオイル漏れがあったよう。整備士が原因を説明し終わった頃、車の持ち主である初老の男性は落ち着いた様子でこう語りました。「人間がやることだからミスはあるって。いいよ。いいよ。そんなに謝らなくても。修理してくれたらそれでいいんだから・・・」その後の対応の説明が終わった瞬間店長がこう切り出しました。「ところで、オイルが漏れたガレージの方はどういたしましょう。」「えーそこまで対応するの?!」と思いましたが、この提案についても初老の男性は、「大丈夫。気を使ってもらうようなガレージじゃないから問題ないよ。」と返していました。この校長先生は、接客後に店長にここまで丁寧な対応をされた経緯を伺ってみると、店長は若い頃に同じような失敗をし、お客さんの自宅が新築だったため、ガレージの工事をやり直すことになったことを話してくれたそうです。
問題対応は、人間だったら誰でも問題を大きくしたくない。早めに収束させたいと思いがちですが、易きに流れるとより大きな失敗に結び付くことを教えてくれています。また、問題対応は、何よりも正直さと誠実さが大切であることを再認識させてくれます。
冒頭の事例で、心の中で2つの思いが葛藤していること自体恥ずかしい思いでいっぱいになりました。

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