悲劇の教訓伝えなければ?! 6月10日 第201号
- 公開日
- 2022/06/10
- 更新日
- 2022/06/10
校長室
2001年6月8日に大阪教育大学付属池田小学校で校内児童殺傷事件が起きました。一昨日犠牲になった子供8人を追悼する「祈りと誓いの集い」が池田小学校で開かれました。事件発生時刻の10時10分過ぎには、全校児童が「祈りと誓いの塔」の鐘の合図で黙とうをしたそうです。
この事件の数年後に私は、「安全教育」の中央研修後の宴席で当時の次の校長先生の隣に座らせていただくことになりました。その校長先生から当時のことや取られた対策について教えていただきました。
その日は、付属小学校ということもあり、研究大会(授業研究)の日だったそうです。渡り廊下の通用口から侵入しようとした犯人と出くわした先生は、研究授業のことで頭がいっぱいで「たぶん業者の人だろう」と思い、入校を許可したそうです。犯人は、低学年教室に侵入したのですが、子供たちを守るべき担任の先生が先に犠牲になり子供の犠牲が広がったそうです。学校内に緊急搬送用のたくさんの救急車が集まり、学校はどの病院に収容されたか把握できず、中には我が子の最後を看取ることが出来なかった親もおられたそうです。
対策として、普通教室の位置を廊下に対して「ハーモニカ型」から「ジグザグ型」に改築したこと・校門付近に守衛室を設けたこと・事務室の机配置を工夫しどの職員からも来校者の出入りが見えるようにしたこと・職員室に校舎内外の防犯カメラのモニター集中コーナーを設置したこと・校舎内各箇所にボタン一つで「不審者侵入」を知らせるアラームの設置をしたこと等を講じられたと教わりました。
この悲劇の教訓を決して対岸の火事とはせず、子供たちの命を預かる身として、教職員と共に防犯意識を高めていきたいと思います。今年も実施予定の不審者対応避難訓練では、その実効性が高まるよう努めたいと思います。