学校日記

栄冠は君に輝く! 7/11 418号

公開日
2023/07/11
更新日
2023/07/11

校長室

 高校野球の季節が訪れました。氷見高校が春の全国選抜高校野球大会に出場するということで3月18日に3年ぶりに甲子園球場に行って来ました。氷見高校の試合は、残念ながら平日だったので開会式とその日の試合を観戦することにしました。甲子園球場に入るとやっぱり耳に入るのは、「栄冠は君に輝く」の曲です。この曲を聴くと小学校時代からテレビ観戦していた高校野球の試合や甲子園球場で直に観戦した試合の中から名場面の記憶が蘇ってきます。ですから、この曲は大好きですし、カラオケでも歌います。そこで、この曲を作詞した加賀大介氏に注目したいと思います。

 1948年に朝日新聞が募集した全国高等学校野球選手権大会の大会歌に、婚約者(後に妻)であった当時23歳の金沢地方貯金局職員・高橋道子(結婚後は中村道子)の名前を借りて「加賀道子」の筆名で応募し、5,252篇の中から選ばれました。この歌は『栄冠は君に輝く』として知られています。

 妻の名前を借りて応募したのは、当時加賀氏が短歌や演劇の会を主宰し、脚本を書いていたプロの文筆家であったため「懸賞金目当て」と思われるのが嫌だったからだそうです。賞金は5万円で、当時の公務員給与の約10倍以上です。加賀氏に「絶対本当のことを言っちゃだめだ」と言われた高橋はそれに従い、新聞記者に作詞のきっかけを質問されても「スポーツが好きですから」と取り繕ったといいいます。

 そのため、発表当初は「加賀道子作詞・古関裕而作曲」と表記されていましたが、1968年の第50回大会を機に加賀は真相を公表し、晴れて「加賀大介作詞・古関裕而作曲」と表記されるようになりました。

 加賀氏自身は16歳の時に野球の試合による怪我がもとで右足の膝から下を切断したこともあり野球への想いが強く、自宅前の浜小学校で子供たちの野球をする様子をよく見ていたといわれます。生涯唯一度も甲子園に行ったことはなかったが、妻の道子は加賀の没後に大会に招かれた際に作曲者の古関裕而から「いい歌詞ですね」と言われたそうです。

 今日から、全国高校野球選手権大会富山県大会の試合が始まります。「栄冠は君に輝く」の曲の歌詞をイメージしながら、球児の活躍を応援していきたいと思います。またまた、野球の話題になり申し訳ありません。