努力は報われるのか その1 no.809
- 公開日
- 2024/07/29
- 更新日
- 2024/08/10
校長室より
7月26日〜8月11日に開催されている「パリ2024 第33回オリンピック競技大会」
まだ、序盤ですが、本気の戦いの中で予想もされない出来事が多々あり、わたしにとって、「勝負」というものを考える機会となっています
現地7月28日に開催されたサッカー競技女子のグループステージ第2戦
初戦のスペイン戦で先制するも、1−2で逆転負けとなった日本
グループCの日本の第2戦はブラジルとの対戦でした
日本は0-0で迎えた前半アディショナルタイムにPKを獲得するも、キッカーの田中選手のシュートは、GKに読み切られてセーブされます
後半にブラジルに先制され、そのまま試合終了かと思われたアディショナルタイム1分に、ペナルティエリア内での相手選手のハンドでPKを獲得
これを熊谷選手が決めると、アディショナルタイム5分には相手のパスミスを突いて谷川選手がミドルシュートで叩き込み、逆転勝ちとなります
試合後、ブラジルのエリアス監督がこうコメントします
「勝てるチームになりたいなら、試合がもたらす変化の中で、100分間ずっと一貫してプレーする必要がある」と
競技は違いますが、柔道男子60キロ級の準々決勝
永山竜樹選手とスペイン代表フランシスコ・ガルリゴス選手の対戦
永山選手がガルリゴス選手の寝技に耐える中、主審から「待て」がかかり、ここで永山選手は力を緩めるも、ガルリゴス選手はさらに絞め技を続けたため、永山選手が失神してしまいます
そのため一本負けが宣告され、このことで様々な議論を巻き起こしています
ある柔道経験者は、「相手がやめない限り、力を抜いてはならないことを認識した」と言っていました
ブラジル女子サッカーチームのエリアス監督の言葉と通じる気もします
フェンシング男子エペ個人の決勝戦
加納虹輝選手が開催国フランスのヤニク・ボレル選手と対戦し15−9で勝利し、金メダルを獲得しました
直後のインタビューで、「今までこんな苦しいことをして意味があるのかと思ったこともあったけれど、今日はその努力が報われました」といった内容の話をしました
※記憶が定かではありません
この話を聞いて、水泳競技バタフライ100m、池江璃花子選手の準決勝後の様子が思い出されました
2大会ぶりの個人種目出場となった池江選手は57秒79で6位
全体12位で決勝進出はなりませんでした
レース後この悔しい結果に涙が止まらずタオルで顔を覆い、プールサイドに座り込んだ映像が印象的でした
約10分間、涙が止まらず、インタビューでは問いかけの後15秒間絶句し、沈黙します
「今のレースは・・・」と話し出すも10秒ほど言葉が出ませんでした
「正直、頑張ってきた分、無駄だったのかなって。そういうレースでした。」
絞り出す言葉でした
「最後は勝負の世界なので、勝てなきゃ意味ないですし、本当に。自分の力を出し切れずに終わったし、また4年後リベンジしに帰ってきたい。」
”努力が報われる”・・・
「苦しくてもしんどくても、努力は報われるんだなと思いました」
そして、この日の校長室よりには、池江選手が後日、このインタビューについてのツイートにリツイートをした内容も紹介していました
「自分の過去では、努力した先に「病気」が待ち受けていて、積み重ねてきた「努力」がすべて無駄になった気がしました。パリを目標といっていた心のどこかには、東京オリンピック・パラリンピックに行きたいという気持ちも少なからずあって、それを達成できたからこその言葉なのかもしれません。どんな人も努力はしていると思います。ただ、その努力という定義も難しいなと思います。本気で目指してきたことをたとえ達成できなかったとしても、その努力は必ず誰かが見てて、誰かが勇気をもらえるのではないでしょうか。」
オリンピアンの考え方は、我々にも参考になると思っています
がんばる人を応援したい
そう思わせられる日々です