中庭

学校日記 school diary

親鳥の想い no.796

公開日
2024/07/09
更新日
2024/07/09

校長室より

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昨日の放課後、正面玄関のアプローチカラ「チ チ チ・・・」と、ヒナ鳥のような鳴き声が聞こえました
最近、また正面玄関付近でスズメの卵がかえったようで、えさを求めるような声が聞こえていたのですが、それとはちょっと違います
いつもと違うということは、興味が惹かれます
その声に誘われ、行って観てみると、巣立ちするほどに成長した小さいスズメの姿がありました(上の写真3枚)
わたしが近付いても羽ばたいて逃げることがないので、もしかしたら巣から落ちたのかもしれません

以前のように巣に戻してやろうにも、羽毛も生えそろって見えるのでどうしたものかと思っていると、一羽のスズメが近付いてきました
推察するに親鳥でしょう
我が子を抱きかかえることもできず、そばで鳴き続けています
何を訴えているのでしょう?
それにこたえるように、小さなスズメも「チチチ・・・」と鳴いています

少し近付くと、小さいスズメは羽ばたくようなそぶりを見せますが飛び上がることはできません
ただ、もう少しで飛べるような気もします
結局、わたしが近付いた分ほどだけ、アプローチから外へ移動しました

離れた場所で少し様子を観ていると、また親らしきスズメが近寄ります
そして、今度は、もう一羽も小さいスズメに近づき何やら鳴いています(下の写真2枚)
両親かもしれません

スズメの学校があるのかどうかは知りませんが、誰から教わったわけでもなく、スズメは卵を産み、抱卵し、孵化させ、そしてエサをやり、巣立ちを見送る
そして今、目の前には、わたしという存在を警戒しながら(おそらく)我が子を見守る姿があり、何とも人間の子育てと重ねつつ、いろいろと考えます
あの時、親鳥は何を想い、何を考えているのでしょう・・・
人間ではありませんから、想うとか考えるということは何のかもしれませんが、その姿はある意味擬人化したくなるのです

「愛の姿」というか、表現するボキャブラリーのなさがただただ悲しいのですが、わたし自身学ぶことがここにある気がします

おそらくこの小さいスズメが親になったとき、スズメの世界に言葉はないですが、この「愛」を繋いでいくのかなと漠然と感じました


今朝、同じ場所を通り、その家族の巣の近くを通りましたが、鳴き声は聴こえませんでした
無事、あの小さいスズメが巣立って、未来へ羽ばたいてくれていればと願っています