キリキリ No.921
- 公開日
- 2025/01/24
- 更新日
- 2025/01/24
校長室より
朝、霧が校舎を覆っていました
出勤途中には視界のとても悪い場所があり、慎重に車を運転する必要がありました
理科教師のサガか、そんな状況を楽しんでいる自分がいます
見えないことは危険を伴いますが、見えないことで分かることや気付くことがあります
太陽が霧を通していつもと違う姿を見せることも、そのひとつです
霧の日は、1953年にエドモンド・ヒラリーとテンジン・ノルゲイがエベレストに初めて登頂したときの話を思い出します
エベレスト登山では、高山病や過酷な気象条件の他に、しばしば霧の影響で視界がゼロになることが大きな課題とされていたそうです
霧の中では、わずかな道のズレが崖に落ちる危険につながります
そこで、彼らは「ロープ」を活用しました
登山隊のメンバーは全員がロープでつながって歩くことで、もし一人が見えなくなっても、仲間同士でお互いの位置を確認できるようにしたわけです
このシンプルな工夫が、命を守る大きなポイントとなり、登頂成功につながりました
霧の影響で道が分からなくなるような、キリキリする状況は、人生の中でもあるように思います
※わたしの場合、ずっと迷いっぱなしで、キリキリのギリギリの人生ですが・・・
将来の自分の進路や、人間関係で迷うこと等もそのひとつです
そんなときに周りの自分が信頼できる人とのつながりを大切にすると、道を大きく見失わずに、自分の目指す未来に向かって進む力になるという経験を、今までの人生の中でしてきました
これはこの話に通じると感じます
出中生に気付いてほしいのは、このような状況でロープでつながるということは、自分は助けてもらう存在であると同時に、誰かの助けになる存在でもあるということです
では、ひとりの場合はどうするか?
そんな時に霧の中で道を見失ったら、まずはその場で止まることが大事でしょう
焦って動き回ると余計に迷い、より危険な状況になることがあるからです
霧が晴れるのを待ち、少し視界が開ければ足元をよく見て少しずつ進むのです
今朝は停車して時を待つほどではなく、無事、学校にたどり着くことができました
いろいろ考えさせてくれた霧も、今はもうすっかり晴れています