三太九郎 no.905
- 公開日
- 2024/12/23
- 更新日
- 2024/12/23
校長室より
本日の給食の献立表にクリスマス・デザートとありました
それぞれがそれぞれの想いでそのときを迎えたようですが、やってきたワゴン車に乗るクリスマス・デザートを見て、一人の教師はひどくがっかりしていました
「今年はケーキではないのですね・・・」
確かに、箱に入ったミニ・ケーキが登場することがありました
まあ、残念かもしれませんが、季節を感じる給食献立を考え、準備していただいたみなさんに感謝です
ありがたくいただきましょう
食べていると、数年前に見たネット情報を思い出しました
2021年に、松崎貴之さんという方がTwitter(現在のX)で紹介されていた新聞記事です
※松崎さんは、噴水と近代日本、とその周辺を調べておられ、文献その他資料探しに伴って集まってきた昔の新聞記事や古書から拾った珍談奇談、珍妙な絵葉書の話題などを発信しておられました
それは明治42年12月22日(水)の都新聞のお悩み相談であろう、「相談の相談」コーナーの記事です(写真下1枚目)
「私は小商人で世間のことはあまり存ぜぬ者ですが、宅の長男の太吉が友達につれられて日曜毎に学校へ参って居ました。處(ところ)が先日から「太吉さんはおとなしいから屹度(きっと)三太九郎がお土産を以(も)って行くだろう」と先生が云(い)うたとて毎日々々(まいにちまいにち)心待ちに待っていますが、此(この)三太九郎とか云う人は私の知らない人です。知らない人が何もお土産などを持って來(く)る譯(わけ)はありません。斯様(かよう)に偽りを教える先生の處(ところ)へ子供をやりたくないのですが、太吉は矢張(やはり)参っています。如何(どう)致しましょうか。(品川、松本)」※一部現代文に変換しています
明治42年は1909年ですから、ほぼ115年前の記事です
子のことを本気で心配する、商人であるお父様の切実な悩みです
おそらく日曜学校の先生のことを言っているのでしょうが、嘘をつく先生のことは信用できないと
そんなところへ行かせたくないが太吉は行っている
そして、その嘘は「三太九郎」なる、なぜか土産を配る人物のことです
そんな人間居るわけない、という訴えであり、太吉は騙されていると・・・
当時はまだ三太九郎なる人物のことは日本国内で知られていなかったようです
新聞社の回答者は丁寧にサンタクロースについて説明しています
日本で最初にサンタクロースの絵が描かれた図書は、明治33(1900)年に教文館から発行された「さんたくろう」という小説のようです
※国立国会図書館デジタルコレクションで調べた画像が下写真2枚目です
※リンクはこちら → 国立国会図書館デジタルコレクション「さんた くろう」
当時、この本が発行されてまだ10年たっていませんから、三太九郎、いやいや、サンタクロースはまだまだ無名でしょう
今のようにネットで情報が瞬時に拡散することもないですし、ましてや三太九郎ですから
出中生にとってサンタクロースはどのような存在ですか?
わたしはサンタクロースの存在を今も信じています
それは姿をいろいろと変えてこの世に存在しているサンタクロースです
1980年12月1日にリリースされた松任谷由美氏のアルバムに、「恋人がサンタクロース」が収録され、その後多くの人に歌われていますが、これも姿を変えた例のひとつだと思っています
こどもが小さい頃は、一時期わたし自身がサンタクロースだったこともありますな
ネット上ではそりに乗って移動するサンタクロースの現在地が分かるものもあるそうですね
それはまだ見たことがありません・・・
さて、明治時代の当時、太吉さんのところに、三太九郎はやってきたのでしょうか?
興味あるところですが、その結果をわたしは知りません
出中生のみんなは、どうなったと思いますか?