いのち no.883
- 公開日
- 2024/11/20
- 更新日
- 2024/11/20
校長室より
今年度教師となった○○教諭が4限に道徳科の研究授業を行ったため参観しました
資料名は「いのちって何だろう?」です
生命の尊さ等について学ぶ時間でした
資料の範読を聴きながらその世界にグッと入るように見える出中生(写真上1)
グループで自分の考えを伝え合う出中生(写真上2)
今日の授業で出中生が「いのち」について考える姿を観ながら、先週末から個人的に「いのち」について深く考える出来事があったため、一層いろいろと感じていました
昔の自分は「いのち」についてそれほど本気で考えたことがない中学生でした
高校生になって、「いのち」のことや「人生」、「生きること」について、モヤモヤと考える年頃となりましたが、自分の死については100%ないと思っていました
事故や病気など、何が起こるのか分からないにもかかわらずです
青い年頃でした
きっと当時の自分は、自分事としての「死」について、向き合っていなかったのだと思います
それが歳を重ねて、大切な人や知人の死に直面する度に、自分事としての「死」を意識するようになっていったようです
何年か前には自分自身の「死」を猛烈に意識することもあり、もうわたしにとって「死」は他人事ではありません
また話はズレるのですが、「なぜ、人を殺してはいけないか?」と考えたことがありますか?
言い換えれば「なぜ、人のいのちを奪ってはいけないのか?」
今年度、このことを描いたドラマがありました
NHKの朝の連続テレビ小説、「虎に翼」(※脚本:吉田恵里香 氏)です
登場人物の高校生、森口美佐江が、主人公の弁護士 佐田 寅子に言います
「佐田先生は心から納得する答えが出せます?
どうして悪い人からものを盗んじゃいけないのか。
どうして自分の体を好きに使ってはいけないのか。
どうして・・・人を殺しちゃいけないのか。」
「・・・」と、寅子はすぐに答えられませんでした
寅子にとって美佐江と会うのは、これが最後となります
そして、約20年後
美佐江の娘、美雪と出会います
美佐江とそっくり(※一人二役)の美雪に、寅子は美佐江と同じことを問われます
「先生はどうしてだと思います?
どうして人を殺しちゃいけないのか?」
今回は、はっきりと寅子は答えます
「奪われた命は元に戻せない。
死んだ相手とは言葉を交わすことも、触れ合うことも、何かを共有することも永久にできない。
だから人は生きることに尊さを感じて、人を殺してはいけないと本能で理解している。
それが長い間、考えてきた私なりの答え。
理由が“分からないからやっていい”じゃなくて、
“分からないからこそやらない”。
奪う側にならない努力をすべきと思う。」
今日の授業を参観しながら、自分の中学生・高校生時代、そしてこのドラマのシーンを、わたしは思い出していました
いのちを奪うことに限らず「“分からないからやっていい”じゃなくて、“分からないからこそやらない”」は、様々なことに通じることだとわたしは思います