うまのはなむけ no.715
- 公開日
- 2024/03/08
- 更新日
- 2024/03/08
校長室より
「うまのはなむけ」とは、「旅立つ人に餞別(せんべつ)の金品を贈ったり送別の宴を行ったりすること。」※参考:学研全訳古語辞典(学研教育出版学研教育出版)
土佐日記 一二・二二の「船路なれど、うまのはなむけす(訳:(馬には乗らない)船旅なのだけれど、うまのはなむけをする」が例文として紹介されています
また、「「馬の鼻向け」の意で、古代、旅に出る人の安全を祈って、出発時にその人の乗馬の鼻を行き先の方に向けた習慣から。」との解説もありました
その「うまのはなむけ」の略が「はなむけ(餞)」であり、「あらかじめ(予め)、はなむけ(餞)をする、会」を、「予餞会(よせんかい)」と言います
月曜日の予餞会に向けて(卒業式に向けても)、2年生、1年生が準備を進め、今日は大詰めとなっています
登校している3年生も、後輩へのメッセージを掲示してくれました
土佐日記によれば、紀貫之を送別する会では「身分関係なくみんなが酔っ払って、海の近くにもかかわらず、魚が腐ったように横たわってふざけ合っている」状態になったそうで、紀貫之自身はうれしいながらも、その様子を少し冷めた目でみていたように感じます
出町中学校の予餞会では、土佐日記のような羽目を外したものではなく、送られる3年生も送る1、2年生も、みんなが楽しむことのできる会になるとわたしは楽しみにしています
準備を進める生徒会執行部のみなさん、ありがとう
1、2年生のみなさんもありがとう
登校している3年生もありがとう
そして、そんな出中生を全力で支援している教職員にも感謝です
※「土佐日記」紀貫之 原文
廿二日に、和泉国までと、たひらかに願ぐわんたつ
藤原のときざね、船路なれど、む(う)まのはなむけす
上中下、酔ひあきて、いとあやしく、潮海のほとりにて、あざれあへり