中庭

学校日記 school diary

初め(ぞめ) no.674

公開日
2024/01/10
更新日
2024/01/10

校長室より

昨日実施した校内書初大会
力作ぞろいで校内審査はいつもみんなで悩みつつ、難航します
何とか今年も既定数の受賞者を選出し、特選・北日本新聞社賞となった作品が正面玄関に掲示されました
登校してきた出中生が立ち止まって眺めている様子を、幸せだと感じながら私は眺めます

そもそも書き初めは、日本の年中行事の一つとして、新年になって初めて毛筆で字や絵を書くことです
同じ意味の言葉として、筆始(ふではじめ)、始筆(しひつ)、試筆(しひつ)、試毫(しごう)、試簡(しかん)、試免(しめん)、試穎(しえい)、試春(ししゅん)、試觚(しこ)などがあります
初硯(はつすずり)、吉書始(きっしょはじめ)、吉書も、似た言葉です
わたしが小中学生の頃は、旧暦の1月2日に行われていたことから、1月2日の朝に書初をさせられました(※大きな強制力がはたらいていました)
同級生たちが1月2日以外に書いていることを知り、少し驚き、うらやましく思ったこともありました
もともとは、若水で墨を摺り、恵方に向かって詩歌を書く習慣があったことからきているようで、書く詩歌は「長生殿裏春秋富 不老門前日月遅」という漢詩がよく用いられたそうです
宮中で行われていた儀式が、江戸時代以降、庶民にも広まったとされています


ふと「初め」「初」が気になり、新版「角川俳句大歳時記 新年」(角川書店)のページをめくってみました

初景色
初山河
初赤城
初富士
初夢
読初(よみぞめ)
船乗初
初市
初商
初荷
買初
初会
初旅
出初

・・・

いろいろあります
小さい頃、近所に「初荷」と書いたのぼりを立てたトラックが家の前を通過するのを鮮明に覚えています
覚えていると言えば書初の作品を左義長で燃やしたことも妙に覚えています
雪の積もった近所の河原に大きな数本の竹が組み上げられ、そこに書初作品を入れます
近所をまわって集めた正月飾りも入れました
火が付き一気に竹が火に包まれて大きな火の塊となります
燃えさしが高く上がるほど腕が上がると聞きましたが、自分の作品はなかなか燃え上がらなかったことや、針金の先に餅や、正月飾りを集めた時に魚屋でもらったするめを刺して、焼いた情景が妙に思い出されます
火力が強すぎて焦げていましたな

出中生もそんな体験をしているのでしょうか?
日本の伝統的な風習や、日本の言葉を大切にしたいと思うのは、歳をとったからかな・・・

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