ブラックの放出 no.552
- 公開日
- 2023/07/03
- 更新日
- 2023/07/03
校長室より
ここ最近流れるニュースは、誠に暗くなる内容ばかりです
明るいニュースをどんどん知りたいのですが、マスコミやネットで流れるものは、どうもあまりよろしくない内容のものが多いように感じます
※わたしの心もちが、そういうニュースに関心をもたせてしまっているのかもしれません・・・
危機管理の視点からは、重要かもしれませんが、・・・
犯罪に関するニュースであれば、「どうして、そんなことをしてしまうのだろう?」と感じることが毎日流れます
命を軽く扱うもの、多くの人に迷惑のかかるもの、それらのほとんどは誰にでも「よくない」と考えられる事案です
すべてはその人の心のせいでしょうか?
弱い心 強い心 心の波 ・・・
人間は心が弱っているとき、いつもは考えないようなことを考え、言動に移してしまうことがあります
いわゆる「魔が差した」瞬間です
いつもとは違う心ですから、多くの場合はわれに返ったときに後悔することとなります
※麻痺してしまって、後悔することがなくなる人もいます
心の状況は環境・状況に影響を受けやすく、「魔に入り込まれやすい」ときがあるようです
季節の変わり目
気候が変化するとき
夕暮れ時(逢魔時)
草木も眠る丑三つ時
悩みごとや心配ごとがあるとき
疲れているとき
何もかもがうまくいっているとき
お酒を飲んだとき
権力を握ったとき
自分が偉いと勘違いしたとき
油断したとき
慢心したとき
不安なとき
・・・等々
人の心の中にはいろいろな自分がいます
よりよく生きようとする自分
楽をしたい自分
意地悪したい自分
えらくなりたい自分
・・・等々
夢分析で有名な心理学者・精神科医のフロイトは、「夢には、ふだん理性の下で抑圧されている無意識や願望が出てくる」と述べています
無意識を抑圧し続けることでモヤモヤが蓄積して欲求不満になり、それを夢で解消していると
魔が差すとは心理学的には、裏の心があらわれることであり、夢に登場するような抑圧された欲望や無意識がふと、理性を超えて表面化することだそうです
うまく心の中のブラックな自分を満足させてホワイトにしてあげることが重要ということでしょうか
また、フロイトは、生活の中であるちょっとした言い間違いに、本音がかくされているとも述べています
確かにわたしにも思い当たることがあります
魔が差した言動のせいで後悔しないためにどうするか
それは、一寸立ち止まり、深呼吸することです
人間は感情の生き物であり、ブラックな自分に負けてしまいそうになることは多いですが、立ち止まり、呼吸を整えるのです
自分の中の他の自分が、今の自分を冷静に見るのです
「今その言動をとると、どうなるか?」
落ち着いて、そのことを考えられればと思います
「それを言っちゃぁ、おしまいだよ!!」
※映画「男はつらいよ」で、渥美清氏が演じる主人公の寅さんの名セリフ
「覆水盆に返らず」
昔から多くの人が、「魔が差す」経験をし、後悔してきています
魔が差したときに、ブラックな自分に負けない、自分なりの方法を、出中生はもっているでしょうか?
かくいうわたしも、「そんな方法がわたしにはある」と言える自信はないですが・・・
もし、魔が差した言動をとってしまったら、何をすればよいでしょう
わたしが中学生に指導してきたことは、次の3点です
・事実を素直に認めること
・謝罪すること
・責任をとること
この3点を誠実に、確実に遂行することが、魔が差して言動に移してしまった人のやることだと思うのです
こんな指導をしつつ、このときわたしが心配していたことは、魔が差して言動に至った生徒は、何かを心に抱えているのではないかということでした
理由があるなら何をやってもよいということではないことが前提ですが、その言動の原因を解消することは、その人の未来にとって大切だと考えます
人は夢の中だけでなく、言葉にして誰かに話してブラックの要因を放出することで、開放されることがあるのです
ブラックな心を抱える出中生がいるのなら、誰にでもよいから、そのブラックを正しく放出して、少しでも心を軽くしてほしいと願います