どっち? No.520
- 公開日
- 2023/05/17
- 更新日
- 2023/05/17
校長室より
2年生が宿泊学習から帰ってきました
その表情や行動から、出発したときよりも、ちょっぴり成長しているように感じました
先日の第1学年の宿泊学習も、今週の第2学年の宿泊学習も、今回の活動の中に野外炊飯がありました
グループで調理することは、それぞれが役割分担をしたり、成果物がイメージできてゴールがはっきりしているので、学習効果が高いと思っています
何より、食べ物をみんなでつくるので、楽しい!!
と、思いつつ、実はこの2週間、「どっちだろう?」という想いが頭の中をぐるぐるしています
それは、「野外炊飯(すいはん)」なのか?「野外炊爨(すいさん)」なのか?です
教師生活駆け出しの頃、先輩から教えていただいたような気もしますが、思い出せません
そこで、本日、本校図書室蔵書である「精選版 日本国語大辞典2」(小学館)と、「広辞苑 第7版」(岩波書店)で調べました
【炊飯】すいはん
・飯をたくこと。また、食事の用意をととのえること。
・飯を炊くこと。
【炊爨】すいさん
・飯をたくこと。煮たきすること。炊事。
・飯をたくこと。にたき。さんすい。
うむむ、微妙・・・
文例にある、「炊飯器」は、飯をたく器械、飯をたく器具とありますから、炊飯はコメを調理するときに用いるようにも感じますが、食事の用意をととのえるともありますし、炊飯器で別の料理を調理することもあります・・・
日本国語辞典には、文例として900年頃の菅家文草(菅原道真の漢詩文集)の一文が掲載されていました
10・為小野親王謝別給封戸第3表
「肩舁野蔬、以助黎民之炊爨」
(→肩に野蔬を舁(にな)ひて、以(もっ)て黎民(れいみん)の炊爨を助けむことを)
「野蔬」は、野菜や食用の草であり、「黎民」は庶民のことです
この詩では、調理しているものはコメだけでないように読めますから、炊爨(すいさん)の方が近いのかなとも思います
思い出しました!
飯盒炊爨(はんごうすいさん)です!!
飯盒を使って、飯を炊くだけでなく、調理もするので「炊爨(すいさん)」と、聞いた記憶が蘇りました
炊爨の「爨」は、書けそうにもない漢字ですし、その使い方も曖昧になっているようですから、どちらでもよいのかもしれません
言葉も時代と共に変化します
ううむ、言葉も調べるとおもしろいです
※図書室へ「精選版 日本国語大辞典」と、「広辞苑 第7版」を借りに行くと、別の本に目が行ってしまい、その3冊も借りてしまいました・・・