教室というところ no.438
- 公開日
- 2023/01/18
- 更新日
- 2023/01/18
校長室より
本気・根気・元気に学習に向かう、出中生と教職員
校舎内をまわり、そんな姿を観ていると、蒔田晋次 氏の詩が頭の中でぐるぐるします
教室はまちがうところだ
蒔田 晋時(まきた しんじ)
教室はまちがうところだ
みんな どしどし 手を上げて
まちがった意見を 言おうじゃないか
まちがった答えを 言おうじゃないか
まちがうことを おそれちゃいけない
まちがったものを ワラっちゃいけない
まちがった意見を まちがった答えを
ああじゃあないか こうじゃあないかと
みんなで出しあい 言い合うなかで
ほんとのものを 見つけていくのだ
そうして みんなで 伸びていくのだ
いつも正しく まちがいのない
答えをしなくちゃならん と思って
そういうとこだ と思っているから
まちがうことが こわくてこわくて
手も上げないで 小さくなって
黙りこくって 時間がすぎる
しかたがないから 先生だけが
勝手にしやべって 生徒はうわのそら
それじゃあ ちっとも伸びてはいけない
神様でさえまちがう世のなか
ましてこれから人間になろうとしている
僕らがまちがったって
なにがおかしい あたりまえじゃないか
うつむき うつむき
そうっと上げた手 はじめて上げた手
先生がさした
どきりと胸が大きく鳴って
どぎっ どきっ と体が燃えて
立ったとたんに忘れてしまった
なんだか ぼそぼそしゃべったけれども
なにを言ったか ちんぷんかんぷん
私はことりと座ってしまった
体がすうっと涼しくなって
ああ言やあよかった こう言やあよかった
あとでいいこと浮かんでくるのに
それでいいのだ いくども いくども
おんなじことをくりかえすうちに
それからだんだんときりがやんで
言いたいことが 言えてくるのだ
はじめから うまいこと言えるはずないんだ
はじめから 答えが当たるはずないんだ
なんどもなんども言ってるうちに
まちがううちに
言いたいことの半分くらいは
どうやらこうやら 言えてくるのだ
まちがいだらけの僕らの教室
おそれちゃいけない ワラッちゃいけない
安心して手を上げろ
安心してまちがえや
まちがったってワラッたり
ばかにしたり おこったり
そんなものは おりゃあせん
まちがったって誰かがよ
なおしてくれるし 教えてくれる
困ったときには先生が
ない知恵しぼって教えるで
そんな教室作ろうやあ
おまえへんだと言われたって
あんたちがうと言われたって
そう思うだからしょうがない
だれかがかりにもワラッたら
まちがうことが なぜわるい
まちがってること わかればよ
人が言おうが 言うまいが
おらあ自分で あらためる
わからなけりゃあ そのかわり
誰が言おうと こずこうと
おらあ根性曲げねえだ
そんな教室 作ろうやあ
※出版社:子どもの未来社
発売日:2004/4/23
そういえば前任校で、「校長先生、わたしの学級で読み聞かせをお願いします!」と、担任から頼まれたときに、この詩を熱く読み聞かせしましたっけ・・・
出中生も本校教職員も、
「間違いを恐れず、自分の考えや意見を発言できる」
「分からないことを分からないと言える」
出町中学校がそんな教室や職場であればと思っています
出中生だけでなく、教職員も日々学びであり、成長の途中ですから
成長に終わりはありません