中庭

学校日記 school diary

とにかく、やっておけ! no.407

公開日
2022/11/29
更新日
2022/12/16

校長室より

  • 534312.jpg
  • 534341.jpg

https://tonami.schoolweb.ne.jp/1620011/blog_img/8197078?tm=20240808123208

https://tonami.schoolweb.ne.jp/1620011/blog_img/8199306?tm=20240808123208


2学期末考査最終日
自分が中学生の頃を思うと、最後の教科の試験が終わった後の解放感と、出来はどうだろう?の不安とが入り混じった、何とも言えない感情があったことが思い出されます
当時は、勉強していない自分のことを棚に上げて、
「学校の授業で大切なのは、身体に関して学ぶ保健や、生活に直結する家庭科だ!」とか、
「数学や理科なんて、知らなくても生きていける!」」とか、
「日本人だから国語は大切だけれど、自分は海外に行く気もないから英語はいらない!!」とか、
今にして思えば浅はかなことを考え、それらしく周りに言っていました
お恥ずかしいかぎりです(※誠に若かりし頃の自分は、何とも情けない・・・ 今の自分も未来の自分から見れば、そうなるのでしょうか・・・)

「何のために勉強するのですか?」
教師になってから多くの生徒からこの質問をされました

今もなお、中学生に理解できるようにうまく言えないのですが、一言で言えば、「未来の自分の為」だと思っています
それは学習に限らず、今この瞬間の言動すべてがそうだと思っています

「面積の求め方なんて、おとなになって使わないでしょ?」と言われたら、
「面積の求め方も分からないのかと、言われる職業もあるよ」と答えます

「力学なんて知らなくても困らないでしょ?」と言われたら、
「力学を理解できないと困る職業もあるよ」と答えます

「将来は英語を使った職業に就きたいから社会はいらないでしょ?」と言われたら、
「もし通訳になったとき、歴史や地理のことを通訳できないよ」と答えます

別に、職業だけではありません
音楽を聴く、美術作品に触れるなど、中学生で学ぶ基礎的なものがあるのとないのとでは感じ方や見え方は変わると思います

結局わたしが学生の頃にもっていた、「この学習は必要ない」という考えは、単に逃避なのです
楽をしたいだけなのです
のほほんとゴロゴロしていたいだけなのです
当時の自分には、「四の五の言わず、とにかく、やっておけ!」と言いたいです

幅広く基礎的な知識を身に付けることは、未来の自分の可能性を広げます
現行の日本の学校教育が完璧とは言いませんが、様々な専門分野へと進むための道を進む力を、身に付けられると思うのです

以前、通訳の方とお話しする機会がありました
「通訳になるには英語の学習だけではだめだ」と言っておられたことが印象に残っています
英語がペラペラなことは当たり前であり、それプラス、歴史、地理、科学など、通訳が必要な分野のことに理解がないと、相手にうまく伝わる通訳ができないと・・・

ゲームソフトを開発している人は、時には戦国時代を題材にした歴史もののゲームを作ることもあるので、プログラミングが堪能なことは当たり前であり、それプラス歴史に詳しいとか、少なくても一般常識は必要だという話をお聞きしたこともあります

結局、中学校、高等学校、大学等で学ぶ、基礎的内容から専門的内容まで、縦割りのものではなく絡み合っての知識であると考えます
モナ・リザ(写真下右)を残した、レオナルド・ダ・ヴィンチは、芸術家ですが、その多才さは有名であり、博学、科学、占星術、鏡文字、音楽、建築、料理、美学、数学、幾何学、生理学、組織学、解剖学、美術解剖学、人体解剖学、動物解剖学、植物解剖学、博物学、動物学、植物学、鉱物学、天文学、気象学、地質学、地理学、物理学、化学、光学、力学、工学、流体力学、水理学、空気力学、飛行力学、飛行機の安定、航空力学、航空工学、自動車工学、材料工学、土木工学、軍事工学、潜水服等の分野で業績や手稿を残したとされています
個人的には、ヘリコプターの原形が描かれた手稿(写真下左)を、小さい頃に初めて見たときは驚きでした
あらゆる分野に興味をもって学び続けていたことは、今の我々にとっても大切なことを伝えているのではないでしょうか

期末考査最終日
本気で根気よく取り組む出中生を陰から応援しつつ、こんなことを思いました

※no.420との関連記事です