中庭

学校日記 school diary

第180号 そもそも

公開日
2021/12/15
更新日
2021/12/15

校長室より

1年生が理科の授業で光の性質を学習しています
理科室で光の進み方を観察する実験に取り組んでいました
透明な半円形レンズや、透明な五角形の物体に光を当てて、本気で追求する姿は立派です
各グループで、光がどのように進むのかをそれぞれが協力して確認しています
タブレットを使って撮影して様子を記録することも忘れていません
タブレットで記録された実験結果は、課題解決のための根拠のある考察に活用されます

みんなの様子を見ながら、以前の授業では紙の記録用紙に、直接光の進む道筋をペンで記録していたなぁと思い返していました
一応、わたしは理科教師なので・・・

さて、タブレットのよさは何でしょう?
そもそも、タブレットを使う方が、本当によいのでしょうか?

実験で直接用紙に道筋を記録するとき、ペンやペンを持つ手が光源からの光を遮ってしまい、困ってしまうことがありました
光の道筋が記録とずれて、消しゴムで消して、再度書き直さなければならないことがありました
4人のグループで実験をした場合、それぞれに考察するための記録が必要なため、4回同じことをしていました

タブレットを使用した場合、画像として撮影するため、記録の時間は一瞬です
撮り直しも一瞬です
撮影した画像データを、グループ内のそれぞれのタブレットに転送してすぐに共有できます
画像データに色をつけたり書き込みをしたりして、見やすくすることができます
そのような追加したデータを書き換えたいときや間違えたとき、パッときれいに削除することができます

なんだか、今回の授業ではタブレットを使った方が便利そうです
何より、この利用法で時間が短縮でき、考察する時間がたっぷりとれます

授業でタブレットを使うことは、そのこと自身がねらいではありません
GIGA構想は、デジタル機器使用のスキルアップが主目的ではないのです
「そもそも、今やっている学習のねらいは何か」を見失わず、デジタルがよければデジタルを使用し、アナログがよければアナログを使用するだけのことです
どちらかでなければならないということはありません
デジタルは万能ではなく、アナログが効果的なことがあります
そして、今回のように、その逆もあります

何かに取り組んでいるとき、何となく違和感をもったり、何となく行き詰まったりしたときの、「そもそもどうだろう」思考は、モヤモヤの解決の糸口を掴むためのひとつでしょう


さて、そもそもわたしはなぜこの校長室よりを書いているのでしょう?
あ、別にモヤモヤしているわけではありません
わたしの中にその答えはありますから

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