第179号 太く、大きく、書く
- 公開日
- 2021/12/14
- 更新日
- 2021/12/14
校長室より
今朝の、生徒が登校する前の教室は、蓄熱暖房のおかげで暖かくなっています
わたしが某市の木造校舎の中学校へ通っていた頃からみれば、ずいぶん変わりました
教室の窓から雪が吹き込んで、教室の隅に雪が積もったこともありました
日直として重い灯油缶を運んでいる途中で灯油を廊下にぶちまけていた同級生がいました
だから、何だということはないのですが、今朝の暖かい教室の窓から、青空の下の立山連峰を眺めていると、ふと昔のことを思い出しました
出中生が登校し始めると、学校という大きな存在が、今日も目を覚ましたようです
そんな中、出中生は今日も様々な教育活動に取り組んでいます
国語科の授業、書写の学習では書き初め練習も始まっています
一字一字、呼吸を整えて本気で書いている姿を見ると、こちらも息が止まります
黒板には指導者からのメッセージが・・・
「新年にふさわしく」
「太く 大きく 書く」
「お手本を よく見て」
端的で、分かりやすいキーワードです
これが、
「新年にそぐわないような」
「細く 小さく 書かない」
「お手本を おろそかにしない」
と、書かれていたらどうでしょう
学生の頃、オートバイに乗っている知人からこんな話を聞きました
「十分に減速せずにコーナーへ突入してしまい、ふとその先に電信柱が見えたとき、「危ない!あの電信柱にぶつかったら相当危ない!!」と感じ、「電信柱にぶつかってはいけない!!!」と考えると、必ずぶつかるんだよなぁ」
部活動顧問としていろいろ悩んでいた頃、卓球の福原愛さんなどを指導された全日本のコーチからこんな話を聞く機会がありました
「試合の途中のコーチングで、「○○○なプレーをしたらあかんぞ!」と、選手に伝えるコーチがいます。そういうコーチングをされた選手は、だいたい○○○なプレーをします。そして、次にそういうコーチは、その選手に「だから、○○○なプレーをしたらあかん言うたやろ!!!!」と怒るんです。それは、あんたがそう言うたからや!!選手が悪いのではなく、コーチの責任です。」
人は「〜してはならない」と否定形で言われると、そのことを意識するために、その「してはならないこと」をしてしまうそうです
これは脳科学の話です
我々教師も、こういうことも意識しつつ、指導の際に発する言葉や、言葉かけに留意する必要があります
なかなかに難しく、終わりのない課題です
ついつい「◎◎してはいけない」とか、「くれぐれも◇◇しないように」と、周りに言いがちですから
これは、「〜しない方法」ではなく「〜する方法」を考えることや、「できないこと探し」ではなく、「できること探し」をすることともつながるように感じます
「太く 大きく 書く」「お手本をよく見て」
今日の国語の授業で、出中生は太く大きく、お手本をよく見て、文字をひとつひとつ「本気」で「根気」よく書いていました