第155号 安心←→不安
- 公開日
- 2021/11/09
- 更新日
- 2021/11/09
校長室より
安心の対義語は不安です
安心な世界で暮らしたいと思うことは自然であり、マスコミ等で流れる気になるニュースは、不安を誘引するものが多いと感じます
8月末に、「2学期が始まれば学校でクラスターが大量発生する危険がある!!夏休みは延期すべきだ!!」というマスコミでの発言は多く、教育関係者を困惑させ、保護者や地域の方を不安にさせました
本校(砺波市)では、感染状況を踏まえて通常通り2学期をスタートさせました
おかげさまでクラスターは発生していません
全国規模では、2学期が始まったら10代の感染者数は減少しています
増えるのでは?
あの発言は?
「拡がらなくてよかったね」という話?
学校が感染を抑えるはたらきをしているのかもしれないと発言する医療関係者がいます
そうかもしれません
専門家による検証が待たれます
ネットにも不安をあおる様々な情報が拡散します
それはなぜでしょう?
いろいろな理由は考えられますが、「不安」を感じることは、生きていく上で必要だからという話があります
大昔、我々の先祖が外敵に脅かせられながら生活していた時代
もし、どう猛な獣に出会ったとしたら、エサにならないための選択肢は「戦う」か「逃げる」かです
そのとき、脳の中ではノルアドレナリンが分泌され、脳が研ぎ澄まされ、普段のときよりもより早くとるべき行動の判断ができるようになります
このとき、ノルアドレナリンの影響で「不安」を覚えます
「どうしよう?」
「生き延びられるだろうか?」
「うまくいくのだろうか?」
どんどん不安感は高まり、脳がより研ぎ澄まされます
同時にアドレナリンが分泌され、心臓の鼓動が多くなり全身に大量の血液が巡り、とるべき行動のための身体の準備が整います
つまり、不安を感じさせるノルアドレナリンは、ピンチのときや困ったときに、生き延びるための準備を整えるための燃料となるようです
現代では町中で命の危険を感じるような獣とばったり出会う可能性はほぼありませんが、我々の脳には大昔のシステムが残っているようです
脳は不安を感じさせることで、行動を起こさせるのです
不安を感じているのに、何も行動しないと、生命の危機を感じる脳は、このままではダメだとますますノルアドレナリンを分泌します
その結果、ますます不安を感じるようになります
目の前に獣がいるわけではないのですが・・・
このことから、不安感を減らすには行動するばよいのです
例えば、不安を感じたら、その不安を吐き出すのです
誰かにしゃべる
不安を文字で書き出す
あるいは、とにもかくにも家のまわりを走ってみることもひとつでしょう
わたしの場合は、「根拠をそろえて、その対策をする」でしょうか
このとき、バイアスに留意し、都合の悪い情報も並べて検討します
聞きたくない情報を排除しては判断に偏りが生じるからです
市内の他校より少し実施時期が遅れましたが、3年生の修学旅行を1泊2日でできて、現段階(修学旅行2日目の朝)ではよかったと思っています
3年生がたくさんの活動を終えて夕方帰校します
未来に対する不安は、少しは希望や期待に変わったかな?
お土産話が楽しみです
いやいや、事後学習報告か・・・