中庭

学校日記 school diary

第132号 知らないところで

公開日
2021/10/05
更新日
2021/10/05

校長室より

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青空の下、昨日今日と本校職員が駐車場のラインを塗り直しています
秋とは言えども気温が高く、アスファルト上ではひどい暑さです
そんな中、マスキングテープを丁寧に貼り、きれいにラインを引いています
そして、まぶしいほどの白い線が駐車場に現れます
誰かがこのような作業をしなければ、駐車場にラインは存在しません
多くの場合、それを誰がやったのか知りません
知らないところで、誰かが自分たちが生活しやすいように、活動しています
これは、ありがたいことです

作業の様子を見に行くと、校門付近は甘い香りに包まれていました
キンモクセイの香りです
「あれ?どこにあるのだろう??」と少し探すと、校門近くの祠(ほこら)の横にありました
気付いていなかった・・・
先日、誰も住んでいない実家の木の枝を伐採しに行ったときも、キンモクセイの香りが広がっていました
秋を強く感じさせてくれる香りです
選定した枝の一部を持ち帰り、玄関や部屋に活けました
家の中に秋の香りが充満します
また、校長室の机の上にも飾ってみました
※祠の横のキンモクセイではありません、念のため・・・

知らないところで、確実に季節は進んでいます
そう言えば、道路の脇に、急にセイタカアワダチソウの姿も目立ち始めました
知らないところで、ぐんぐん勢力を拡大していく様子が、やや不気味です

不気味と言えば、我々の日常生活に直接大きく関わっていない世界で、不気味な思いをしている人がいます
たまたまスミソニアン博物館に展示してある、ハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope、略称:HST)の交換された機材の一部の画像を目にする機会がありました
ハッブル宇宙望遠鏡は、1990年4月24日に打ち上げられ、地上約600km上空の軌道上を周回する宇宙望遠鏡です
画像の広域惑星カメラII(WFPC2)のラジエーターセクション(機体後部)は、1993年に取り付けられ、2009年に広視野カメラ3(WFC3)に交換されました
大きさはグランドピアノほどの大きさです
約15年にわたって宇宙空間を飛行した結果、スペースデブリ(宇宙ゴミ)によって、穴だらけです
宇宙ゴミの怖さは、SF小説やアニメーションで扱われたり、ニュースで報じられたりしていたので知っているつもりでしたが、これほどとは知りませんでした
国際宇宙ステーションで生活する宇宙飛行士たちも、不安だろうなと想像されます
ステーション内で「ゴン!」という音が聞こえたら、さぞや不気味でしょう
自分の知らないところで、命をかけて活動している人がいます

知らないことがこの世の中にはたくさんあります
知れば知るほど苦しくなることもありますが、知らないでいるよりも、知って意識するだけでもこの世の中は少し変わるのではないかと思います
学校で学習することで、知らないことを知るのですが、知れば知るほど、知らないことが増えることもあります
本来は、それがまた楽しいかな

出中生にもどんどん多くのことを知ってほしいです
多くのことに気付いてほしいです
おとなはその手伝いのために、本気で根気よく関わらないと、と思っています


下図
ハッブル宇宙望遠鏡に設置された広域惑星カメラII(WFPC2)のラジエーターセクション(機体後部)
(原文:The radiator section (rear end) of the Wide Field Planetary Camera II (WFPC2), installed on the Hubble Space Telescope.)
https://airandspace.si.edu/multimedia-gallery/6572hjpg