続・おとなの学び つづき no.856
- 公開日
- 2024/10/09
- 更新日
- 2024/10/10
校長室より
昨日の学校訪問研修会では、多くの方に来校いただき、本校教育について多くの指導・助言を受けました
前号の記事に書いた通り、出中生に負けず教職員も学び続けます
「授業研究」という教育用語があります
これはよりよい授業をつくるために、教師同士が学び合う方法として古くから行われているものです
この方法は日本独自のもので、教師同士の学び合いを大切にし、互いの技量を高め合うための研修です
授業者(見られる授業をする人)は目標を明確にし、学習指導案と呼ぶ授業の計画案を作成します
この計画案を参加者全員で共有し、公開された授業を参観し、そして協議会で授業について意見交換します
この一連の研究の流れは、問いから始まる教師同士の学び合いです
1980年代に、日本の小中学生の数学の成績が優秀であることが、世界の教育研究者から注目されました
その理由が考察され、日本独自の研修方法である「授業研究」が評価されることとなりました
ただし、「授業研究」の方法は日本各地・各学校で特色があり、いわゆる富山流、砺波地区流、砺波市流の授業研究があります
文部科学省が学習指導要領の改訂の際に、「知識の習得にだけでなく、生徒が自分で問題を解決し、意見を出し合い、主体的に学びを深めるような授業を導入する」よう呼びかけ(平成29・30・31年改訂学習指導要領(本文、解説))、進めている「主体的・対話的で深い学び」です ※主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善(PDF)
昨日の授業後の協議会では、本校の研究主題である「自ら考え、高め合える集団づくり ~調整を促す教師のはたらきかけ~ 」を軸に、教師同士の学び合いが展開されました
視点として、意識して授業に臨んだ次の6点についての評価が行われています
・課題の板書
・教師の待ちの姿勢 ※しゃべり過ぎていないか?
・交流の場の確保
・机間観察の次の指導への活用
・ふりかえりの場の確保
・教師の笑顔、言葉遣いを大切にする意識
繰り返しになりますが、教師も出中生に負けず学び続けるのです
自己調整が発揮された授業だったのかどうかをふりかえり、今日の授業に既に生かしている教師もいます
おとなもこどもも関係なく、「今ひとつであった」ならそれを教訓とし、「うまくいった」点があればそれを自信として未来に進めばよいのです
独りよがりになることなく、多様な見方や考え方の中で自身の取組をふりかえることは技能を高めるためには必要です
日本発の授業研究を世界にと、昨年6月に開催された日本の算数・数学の授業研究に学ぶイマージョンプグラムに参加した海外の教師がインタビューに答えています
※関連サイト:教育を面白くするメディア「エデュモット」 東京学芸大学公式ウェブマガジンより
「わたしの学校では少人数の教師のチームでやったことを共有し、成長してきました。個人で研究している学校もあります。一方、日本では先生同士がチームとなり授業研究に取り組むことが定着しています。(※一部修正)」
3名のインタビューですが、日本の授業研究を一言で表すと、
「inspring(感動的)」2名 ※素晴らしい
「divergent(異なる方向性)」1名 ※自国と違う
でした
学ぶ姿を、学ぶ背中を、おとなはこどもたちに見せているでしょうか?
感じさせているでしょうか?
人間が成長するとき、環境はとても大切だと言われますが、人間も環境の要素のひとつなのです
脱皮しない蛇は、滅びる
※関連サイト:国際算数授業研究プロジェクト IMPULS