物価の優等生鶏卵に異変 3/3 338号
- 公開日
- 2023/03/03
- 更新日
- 2023/03/03
校長室
鶏卵の卸値がMサイズ基準値で1キロ当たり2月平均で327円となり、過去最高が続いています。1年前の2月平均175円と比べると152円値上がりしたことになります。これは、鳥インフルエンザ感染拡大による供給減少とウクライナ侵攻に伴う飼料代の値上がりが原因のようです。
農林水産省は昨日、福岡市の養鶏場で高病原性が疑われる鳥インフルエンザの発生が確認され、福岡県が24万3千羽の採卵鶏の殺処分を開始すると発表しました。これにより、全国で殺処分対象となった採卵鶏は計1385万羽となり、全国で飼われている1億3729万羽(昨年2月現在)の1割を超えました。
鶏卵生産のコストはトウモロコシなどの飼料費が約半分を占めるとされていますが、飼料の9割近くは輸入に頼っています。コロナ禍による海上輸送の混乱や、ウクライナ危機に端を発した国際的な穀物価格の上昇で、昨年9月の配合飼料価格は1トンあたり10万287円と前年同月比で2割、一昨年9月比で5割上昇しました。
これにより、スーパーでは鶏卵の値上がりや卵を使った商品の販売休止など生活に大きな影響が出ています。子供たちの給食からも卵料理が消えはしないかとても心配です。
鶏卵は手頃なたんぱく源として生食のほか、幅広い調理にも使われ、もともと消費量が多い食品です。とくに年末はケーキやおでんなど鍋物の需要が高まるため価格も上がりやすいと言われています。
私が、小学生頃までは我が家で鶏を2羽飼っていました。餌や水を与えたり鶏舎の掃除等をしたりするのは私の仕事でした。毎朝、産んだ鶏卵を2個我が家に持っていき母に渡すと、卵焼きにしてくれて家族で分け合いました。あの時の餌はトウモロコシだったのか畑で収穫した他の物だったのかよく覚えていません。
しかし、はっきり覚えていることがあります。鶏が老衰して卵を産まなくなった時です。そのことを父に話すと、父は鶏の2本の足を紐で縛ってトラックに積み、市街地にある肉屋(当時は、肉屋で生きた鶏をさばいていた)へ持っていきました。その後のことは、ご想像の通りです。その時、私は「なんて身勝手なんだ。あれだけ卵を産ませるだけ産ませて、用を足さなくなったら鶏肉か・・・」と心に衝撃が走りました。小学校中学年ぐらいの子供には、きつ過ぎる光景だったのかもしれません。