心を育てる大切さ 2/18 330号
- 公開日
- 2023/02/18
- 更新日
- 2023/02/19
校長室
PTA教養委員会主催の教育講演会が講師にNPO法人 りばてぃーOne代表 臨床心理士の坂本 美奈子氏を招聘して開催されました。学習参観の合間で参加しやすかったこともあり、100名程の保護者の皆さんが聴講されました。
私も聴講させていただき、目から鱗の思いでした。表題のテーマで我が子の「心を育てるための接し方」のポイントを話されました。
例えば、姉が大切に使っているおもちゃで遊んでいる光景を見て、妹がそれを見て羨ましくなり、「お姉ちゃんちょっとだけ貸して?」と頼んだとします。姉は「今使っているから、嫌だ」とおもちゃの引っ張り合いになって喧嘩になりました。その光景を見た母はどうしたらよいでしょうか。と投げかけられました。
まずい対応として「あなたは、お姉ちゃんなんだから我慢しなさい。譲ってあげなさい。」
これでは、姉は妹や母に対して憎悪の思いや反抗心しか育まれないと言われました。では、どう対応すればよいかというと、母はまず姉のもとに歩み寄り「お姉ちゃんは、今ゲームに夢中になっているところで、譲るよう言われたので嫌だったんだよね。」と。次に妹のもとへ行き「〇〇ちゃんは、お姉ちゃんが楽しそうに遊んでいるので羨ましかったんだよね。」と声をかけます。次に両者に「2人の思いは分かったんだけど、どうすればいいと思う?」と尋ねます。すると、姉が「私譲るよ」となっていくそうです。
つまり、まず個々の思いにまず共感します。それらをもとに対策について、母が方向性を示すのではなく、自分たちで考えさせ決定させるということだそうです。このような接し方を継続していくことで、子供は、自立し社会と調和して暮らす力が育まれていくそうです。
それに対して強制や力で子供に方向付けをすると、その副作用として1 子供が消極的で意欲がなくなる 2 大人がいないときに不適切な行動を繰り返す 3 親が子供の行動に負の注目をする 4 親子関係が悪くなる そうです。
私も坂本氏に質問しました。「反抗期のなかった子供は、大人になっても大丈夫ですか?」という質問に対して「それはそれで素晴らしいことです。反抗というのは、親がとってきた行動に対する副作用なので・・・」と答えられました。私自身の子育てや学校での指導観を反省させられる有意義な時間となりました。