犯罪被害を防ぐには! 2/8 322号
- 公開日
- 2023/02/08
- 更新日
- 2023/02/08
校長室
5年生の体育(保健)の授業にお邪魔しました。テーマは、「犯罪被害を防ぐには大事なことは何だろう」です。今日の授業の一部です。
担任の先生が次の発問をします。「皆さんが家で留守番をしていると、タブレットにメールが入ってきました。『今から30分以内に所定の箇所にログインしないとあなたの個人情報は失われます』という内容です。皆さんだったらどうしますか?」子供たちは、思いついたことを口々に発言します。「メールが来ても相手にしません。」「怪しいメールなので警察に通報します。」「このタブレットはアドレスが知られてしまったので、新しいタブレットを買ってもらいます。」「相手のアドレスだけメモを取って親に電話して相談します。」・・・等
子供たちは、知恵を絞って発表し、教師は「警察に言って本当に対応してくれるの?」等の問い返しをしていきます。時間があっという間に過ぎてしまうぐらい授業が白熱していきました。他にも「路上で知らない人に後をつけられたとき」「留守番中に不審な人にチャイムを鳴らされたとき」「エレベータのドアが閉まる直前知らない人が入ってきたとき」の対策について考えました。授業を参観していた私は、子供たちを取り巻く日常生活に予測される危険の多さに驚き、今朝の朝刊を思い出しました。その一部を紹介します。
逮捕された若者は、嘘の電話をする。「かけ子」を「きついからもうやらない」と明かす。ミニバンに乗り、渡された名簿とスマホで電話をかけ続ける。数週間拘束され、場所を特定されないよう常に車は動く。「高齢者を騙すので普通に心が痛みますよ」神奈川新聞の田崎基記者の新書「ルポ特殊詐欺」にある。お年寄りを訪ねて現金やキャッシュカードを受け取るのが「受け子」。そのカードを引き出すのが「だし子」で、被害者の顔が見えないこともあり軽い気持ちで手を染める。だが、指示役に「ばらすぞ」と脅され、うけ子やかけ子をさせられる。詐欺グループは役割を細分化し、メンバーを分断する。警察の追及から逃れるためで、罪の意識を希薄にする効果もある。「騙したのは俺じゃない」「運んだだけ」。現場に近寄りもしない指示役はなおのことだろう。(途中略)
私たち富山県も他人事ではないようです。県内の昨年の特殊詐欺は49件で前年と同じですが、金額の合計は1億4千万円余りで1.4倍に。毎日40万円が魔の手に渡っている計算になります。
80代半ばの両親と同居している私は、我が家のルールとして「知らない人からの電話に出ない」「知らない訪問者に対応しない」「知らないメールに反応しない」「不要な現金を家に置かない」。これだけで本当に大丈夫なのか心配になっている今日この頃です。家庭でも学校でも、子供たちと共に「犯罪被害を防ぐ対策」を考えていきたいと思います。