学校日記

理論より体験ファースト!? 1/13 305号

公開日
2023/01/13
更新日
2023/01/13

校長室

 インターネットの発達で、さまざまな情報が手軽に入手できるようになりました。そのため、人はつい頭でっかちになりがちと言われています。
 私は、自動車に興味を持ち始めた頃、製品の特徴や性能、仕様に関する情報をネットが普及していなかったため雑誌でひたすら集めていました。知識や情報が増えるにつれ、いつしか私はカーマニアを気取るようになっていたかもしれません。
 しかし、自動車評論家でオーディオにも詳しい牧野茂雄氏は、そうした姿勢に疑問を投げかけています。牧野氏は、単なるクルマを評価する「自動車ジャーナリスト」と呼ばれることを嫌い、自動車の根幹の自動車産業を人・モノ・会社・経済・エネルギーまで掘り下げ、実地に訪問・実践してきた人です。 世界の自動車メーカーの工場・周辺のサプライヤーを実際に訪問し、国別のエネルギー事情なども体験し、執筆することが「リアリティのある」ジャーナリストであると言っています。 欧州・北米だけでなく中国・韓国などアジア各国の自動車産業事情や、日本的に偏った一般的なエコカーではなく、アルコール・LPガス・天然ガス・DMEなどグローバル視点での「代替燃料車」「クリーンカー」「エネルギー事情」にも精通すると同時に、開発・生産現場観点からの見た内容が具体的に執筆されていることが各界で評価されています。
 牧野氏によると、まず重要なのは車に乗ったり音楽を聴いたりしたときの体験と感動であり、理論や知識は後からついてくると主張しています。しかし、その道に精通したプロならともかく、自分の感性だけで物事の品質を判断することほど難しいことはないと思われます。
 また、「理論や知識をため込むより、まずは自分の感性を鍛えるべし。」それが「体験ファースト」の意味だということです。何か教育活動にもそのまま生かされそうな気がした力強い言葉でした。

みんながわくわくする学校を「自分から」