電気使用節約の冬到来!?12/1 286号
- 公開日
- 2022/12/01
- 更新日
- 2022/12/01
校長室
来年4月からの電気料金抜本改定に向け、北陸電力が昨日、約半数の一般家庭が契約する規制料金の値上げを申請しました。平均45.84%の値上げ率は、これまで申請した電力会社5社で最大です。
背景には、志賀原発2号機が2026年1月まで停止していることがあります。発電量の約76%を依存する日本の火力発電における石炭火力の割合は32%、液化天然ガス(LNG)火力の割合は37%で、このところ石炭価格が高騰し、LNG価格も上がっています。ウクライナ危機で世界的に資源の争奪戦が発生したために、石炭価格が急上昇したことが主な要因と考えられます。北陸電力によると、現行の規制料金のベースとなっている2008年次と比べ、石炭価格は約5倍の水準になっているそうです。
なぜここまで石炭価格が高騰しているのでしょうか。2020年の世界の石炭輸出量の約18%をロシアが占めています。石炭輸出量のロシアの世界シェアは、オーストラリア、インドネシアに次いで3位です。
現在ロシアは、ウクライナへ軍事侵攻をしたことによって、西側諸国から最強クラスの経済制裁を受けています。また、ロシアの特定銀行を国際銀行間通信協会(SWIFT)から排除しました。そのため、SWIFTから排除された銀行を経由しての貿易の決算が困難になりました。その結果、日本、ヨーロッパ、中国など各国のバイヤーが、ロシア以外の国からの石炭輸入量を増やそうと、輸出国に攻勢をかけています。その動きを受けて、石炭価格が急騰しているわけです。
電気代の値上がりまであと4か月となりました。家庭で簡単にできる節電方法については次号で考えてみたいと思います。