ゆっくりだっていいじゃない!?11/4 第269号
- 公開日
- 2022/11/04
- 更新日
- 2022/11/04
校長室
文科省が国公私立小中学校を対象に毎年行っている「問題行動・不登校調査」の県内分を県教育委員会と県が公表しました。2021年度に不登校だった児童生徒は、現在の統計方法になった2014年度以降で初めて200人を超え、最多となりました。病気等を除き、年間30日欠席した児童生徒は2020年度に比べ391人多い2256人に上りました。
県教委によると、不登校の要因として目立つのは、全体では「無気力・不安」、高校は「学業の不振」だそうです。2021年度から学校行事等が再開されて児童生徒同士の関わりが増え、不安やストレスを感じてしまう子供も少なくないようです。
前国立教育政策研究所長 浅田和伸氏は「教職研修」の連載で「ゆっくりだっていいじゃない」と題して次のように述べています。
今の小中高の仕組みで実態に合っていないことの一つが、理解、習得の状況に関わらず、学年が進めば否応なく学習内容も上の段階に進むことだ。学習指導要領や教科書がそうなっている。一方、個人の能力、理解の速さには大きな開きがある。その結果、標準ペースの授業は、できる子には退屈で、できない子には我慢、拷問の時間になる。前者も課題だが、今回取り上げるのは後者だ。
できない子は、なぜできないのか。どうやっても無理なのか。違う。できるように教えてもらえていないだけだ。私はこれまで、担当外の時も、できる限りサポート校、フリースクール、児童養護施設、少年院などに行っていた。学校や社会に馴染めない子供たち、様々な事情で重いハンディを負った子たちも見てきた。当たり前だが、彼らの多くも勉強ができるようになりたいし、人から褒められたり認められたりしたいと思っている。(中略)
自分の教育実践を振り返ってみますと、この浅田氏の言葉がずっしり心に突き刺さってきます。できない子や分からない子にどれだけできる(分かる)まで教えてきたでしょうか。子供にしてみれば、得意教科もあれば不得意教科もあります。このことを肝に銘じながら授業改善を進めていきたいと思います。