新しく物事を始めるイニシアチブと熱意! 11/15 472号
- 公開日
- 2023/11/15
- 更新日
- 2023/11/15
校長室
10月23日457号で紹介したように10月20日に開催された全国連合小学校長会東京大会の記事が11月13日付日本教育新聞に掲載されていました。私は、シンポジウムの内容として報道キャスターの小西美穂さんの講演の内容を中心に紹介しましたが、日本教育新聞では、新日本プロレスやタカラトミーで社長を務めたハロルド・ジョージ・メイさんの講演の内容が中心でした。講演を聴いてから1箇月程経過して、記憶が薄れていた中で記事を読み返すと、ハロルドさんの迫力が蘇ってきました。その一部を紹介します。
日本の長所として、治安が良く、豊かな自然があり、総じて頭が良く、一緒に働きやすいこと。一方で、企業家精神に関わる国際比較調査ではランキングが低く、その背景として、均質さが求められ、失敗が許されず、それがマイナス評価になってしまうことや「出る杭は打たれる」傾向にあることを指摘。教育現場では、長所を伸ばすよりも、短所を改善させようとするところも課題とした。しかし、日本人の創造力は高く、チャンスさえ与えられればどんどん伸び、グローバル社会でも成果を挙げていくことができるという。
今後身に付けるべき力としては、リーダーシップを挙げて、特に自分から新しく物事を始めるイニシアチブと熱意を持つことの大切さを説いた。他にも改革を進める具体策として、「大胆な目標を掲げること」を提案。例えば、ジョン・F・ケネディ大統領は、1961年にアポロ計画を発表し、60年代のうちに人類を月に着陸させると宣言して実現させたが、当時の技術では到底できないはずの内容であったという。ケネディ大統領は、周囲の人たちに繰り返し「やればできる」と語り、「どうしたら実現できるか良い案があったら教えて欲しい」と問い掛け、次第に周囲を本気にさせていったことを挙げた。
ハロルドさんも、新日本プロレスの時代、周囲のスタッフが誰も本気にしてくれなかった「ニューヨークマジソンスクエアガーデンでの興行企画」を実現させた。連日のように「やればできる」と語り「どうしたらできるか」と問い続けた。チケットは19分で完売し、マジソンスクエアガーデン史上最速であった。
最後に「何かを変えようと思ったら、1割増しなどは狙わず、最初から大きな目標を掲げてみる。無理に思えても、どうすればできるかと考え、やればできると自信を持てば、成果を出していける」と投げかけた。
新聞記事を目にした私は、「これは、教育にも通じる」という思いを新たにした瞬間でもありました。