中庭

学校日記 school diary

教わる その2 no.698

公開日
2024/02/14
更新日
2024/02/14

校長室より

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とあるお話

ある禅の高僧が、弟子から悩みを相談されました
「お師匠様 教えを得るには、どうすればよいでしょう?」
高僧は「それならば・・・、」と、弟子にお茶を用意します
そして、弟子の前に茶碗を置き、その茶碗にお茶を急須で注ぎ始めます
すると、高僧は茶碗がいっぱいになっても注ぐのをやめません
茶碗から注がれたお茶があふれ、卓にお茶がこぼれ、床へもこぼれます
「もうおやめください!」
たまらず弟子は高僧に言います
「お茶があふれています。もう茶碗には入りません!」

静かに高僧は弟子に言いました
「よくぞ見てとった。お前も同じだ。わたしの教えを得ようとするなら、まず頭の茶碗を空にしなさい。」


「空の茶碗」「お茶でいっぱいの茶碗」それぞれ何を表しているのでしょう
お茶でいっぱいの茶碗は、単に「知識で頭が飽和状態」ということではないと思います
人からのアドバイスを素直に聞き、それを実行に移すことができる人は、学問でもスポーツや芸能でも、大きく成長できます
初心者や初級のうちは、センスのある人やちょっと経験していた人がよくできるように感じますが、中級・上級と進むにつれて、素直にアドバイスを受けられる人はその成長は続きます
多少の壁があったとしても、乗り越えていきます
これは教師生活の中で生徒たちに教えてもらったことです
空の茶碗は素直な心、いっぱいの茶碗はそうではない心でしょうか

今日は本校新規採用の教師が研修のための授業があり、わたしも参観しました
出中生も教職員も、それぞれの学びは続きます
当然、わたしの学びもです
素直で謙虚な心が、脱皮し続けられるかどうかのカギを握っています

しつこいですが、「脱皮しない蛇は滅びる」のです
by フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ

※参考図書「人生に知恵と勇気を与えてくれる33の寓話—白髪のヒーローたち」
Jane Yolen 著、深井 照一 訳、出版社 東京書籍 (初版2001/7/1)