梅 no.690
- 公開日
- 2024/02/01
- 更新日
- 2024/02/01
校長室より
今日は2月1日
今年度はあと2か月
まだ2か月か、もう2か月か、
2か月もあるか、2か月しかないか・・・
言葉ひとつで心が大きく変わる気がします
さて、2月1日の誕生花は「梅」
梅には「高潔」「澄んだ心」「潔白」「忍耐」「忠義」「忠実」などの花言葉があるとか
本日県内私立高校一般入試(一部県外も)に臨んでいる3年生には、今までやってきたことを信じて、「澄んだ心」で、苦しい時も「忍耐」で、答案に向かってほしいと思います
離れた場所からエールを送ります
梅の花をイメージしたとき、「高潔」とか「澄んだ心」とか「潔白」は、白梅や紅梅の姿と重なって分かる気がしますが、「忠義」とか「忠実」は少しピンときませんでした
これには由来があるようで、それはどうも「飛梅伝説」のようです
ちょうどNHKの大河ドラマで平安時代が描かれており、それにも登場する菅原道真にまつわる伝説です
道真は朝廷内での政争に敗れて、遠く筑前国(九州)の太宰府へ左遷されます
まだ新幹線も飛行機もない時代ですからそれはそれは地の果てに感じたでしょう
道真は梅・桜・松の木をとりわけ愛でてきており、出発の際には別れを惜しみ、特に梅には語りかけるように次の歌を詠んだとか
東風ふかば 匂ひおこせよ 梅の花
あるじなしとて 春をわするな
(1005−1006年頃編纂『拾遺和歌集』巻第十六 雑春)
東風ふかば にほひをこせよ 梅の花
あるじなしとて 春なわすれそ
(1180年頃編纂『宝物集』巻第二)
そんな道真を慕っていた梅・桜・松の中で、桜は悲しみに暮れて枯れてしまいます
そして、梅と松は空を飛び(どうやって?!)、道真の後を追います
残念ながら松は摂津国八部郡板宿(神戸市須磨区)で力尽き、そのあたりの丘に降りて根を張ります
梅は何とか飛び続け、九州大宰府の地に降りて根を張ったそうです
これが、飛梅伝説です
やはり、歌を詠まれた梅は最後までがんばれたのでしょうか・・・
桜は梅に嫉妬して、悲しすぎて枯れてしまったのかな・・・
実際は道真に同行した味酒保行が株分けの苗木を太宰府に植えたとか、道真を慕った伊勢国度会郡の白太夫が旧邸から密かに持ち出した苗木を献上したとか、諸説あるようです
歴史や文学もおもしろいものです、と思えるようになったのは歳をとってからですねぇ
改めて本日受験に臨んでいる出中の3年生たち
梅の「忍耐」にあやかり、がんばれ!
最後の最後までやり切ろう!!
出中の敷地内にある紅梅と白梅も応援してくれているでしょう
※上の写真は昨年度の卒業証書授与式の日、2023年3月15日に撮影した本校の梅です