中庭

学校日記 school diary

「伝える」「伝わる」no.655

公開日
2023/12/07
更新日
2023/12/07

校長室より

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今年度、第3学年の生徒たちが考えた総合的な学習の時間の課題は「より地域を発展させるために、自分たちができることは何だろう」です
課題解明のために出中生が取り組んできた様々な分野の探究活動について、今日もいろいろな場所で「伝える活動」を行いました

地域の商店に地域活性化のために制作したポスターを貼らせてもらう学級、ニュースポーツについて考え、市教育委員会生涯学習スポーツ課の方に来校いただきプレゼンをする学級がありました
また、この活動の最初にいろいろ教えていただいた県庁職員の方に学習成果を披露する学級(写真)がありました

※既に「砺波市の公共の場をより魅力的にデザインしよう」という学級テーマで活動し、アドバイザーとして来ていただいた砺波市役所の方に一人一人のプランを紹介した学級もあります
HP:第3学年総合的な学習の時間「砺波市アート化計画」発表会11/30

出中生は本気・根気・元気で学習に励んでいます
地域等の学校の外での活動や学校関係以外の方々とつながり等を通して、新しい学びにつなげています


ヒトは人の間で、人間になる

若い頃にどこかで聞いた文章が、いまだにずっと頭のどこかに残っています
ヒトは社会性のある動物であり、互いに支え合いながら生きています
そのためにコミュニケーションをとることは家族であってもとても重要です
わたしたち教育関係者は、対生徒、対保護者、対地域、対教職員、対その他・・・と、コミュニケーションなしで教育活動はできません
音声言語のみならず文字言語、ボディーランゲージ、また、ICT等のデジタルの活用もよりよいコミュニケーションの一助となるものです
発信なくして、理解してもらおうとはムシがよすぎます

ただ、なかなかに自分の考えや想いを誰かに伝えることは難しいものです
いくら「伝え」ても「伝わら」ないことがよくあります
100%正確に伝えるのは難しいということを前提に、「いかに伝えるか?」の先にある、「伝わるようにするにはどうするか?」を意識したいと常々思っています
「伝○る」の、「え」と「わ」は一文字違いですが、その意味するものは全然違います

「伝える」には一方的に他方へ受け渡すイメージがあります
主語は自分であり、聞き手としての相手に「ただ渡す」(伝える)という印象です
相手がそれを受け取ったかどうかの意識は薄いように感じます
最近の中高生のネットトラブルも、送った側の一方的な想いにより誤解を生じることが多いように感じます
送ったこと(伝えたこと)と、分かった(伝わった)ことは違うはずなのに・・・
そこに悪意がない場合が多いからこそ、両者が精神的に傷つくこともあります

「伝わる」には、聞き手としての相手の理解を最優先にしているイメージがあります
主語は相手であり、相手の立場や想い、状況に合わせて「慎重に渡す」(伝える)印象です
そこには「相手は、自分が知っていることも伝えたいことを知らない」「自分の当たり前は、相手の当たり前ではない」ことが前提として意識されています
子供を相手とする学校関係者は特にこのことが大切でしょう

DNAの中に、「人は楽をする」ようにプログラミングされているとわたしは思っています
使わなければカラダのその器官は無駄だと判断され、その部分は退化します
コミュニケーションも同じで、日常生活の中や集団の中で当たり前と判断されたことはどんどん省略されます
残念ながらこれが話が「伝わらない」原因のひとつになってしまうのでしょう
同じものを見る、同じ経験をする
しかし、みんなが同じことを考えるとは限りません
ポジティブに取られる人がいれば、ネガティブにとらえる人もいます
価値観も人それぞれです
だからこそ、相手に理解してもらうためには相手の考えを尊重することが大切であり、相手の話をよく聴くことや、相手を知ることが信頼関係を築く上で重要になるのです

「思ってもいないくせに」とか、「そんなことないだろ」と言われますが、わたしは話下手です
人見知りですし、一人が好きです
しかし、人間として生きていくうえで、コミュニケーションは避けて通れませんから、人前ではいつもとてつもなく緊張します
若い頃のある時期から、「上手に話そう」「話をおもしろくしよう」と思わなくなり、少し気楽になった気がします
ただ、相手に伝わるようにするにはどうするかは、考えるようになりました
その手段は言葉ではありません
表情やアイコンタクトで想いを伝えることもあります

ただ、コミュニケーションの中で「無視」は禁物だと思っています
コミュニケーションをとりたい相手であれば一層そう思いませんか?
相手は何を思っているのか、何を考えているのか、何に興味があるのか・・・
何だか、別の話題に触れているような内容になりますが、結局コミュニケーションの基本はよりよい人間関係構築のすべてに通じるということでしょう

「伝えたから、伝わったはず」となっていないか?
日々の会話や行動が「伝える」だけになっていないか?
教師として疑ってみるところからわたしもやり直しです
相手に「伝えました」「言いました」「書きました」が、相手に確実に「伝わりました」とは、そう簡単にならないのですから