中庭

学校日記 school diary

悩ましい・・・no.652

公開日
2023/12/04
更新日
2023/12/10

校長室より

金曜日にPTA講演会が開催されました
今年度は富山大学医学部から山田 正明 准教授をお迎えし、「子どものネット依存と医学研究」と題しての講演でした
山田先生には7月に本校全校生徒に向けて講演いただいていますから、参加されたみなさんにとってはご家庭での共通の話題になったのではないかと期待しています

大きく分けて4つのお話でした
1 依存症と依存物について
2 依存症と脳について
3 依存以外として、目の病気と学力について
4 ネット依存の対策について

どのお話も医学的見地や科学的根拠を基にしてのお話であり、個人的にストンと腹に落ちるものばかりです
何度拝聴しても、ネットの長時間利用により脳が溶ける事実は衝撃的です
わたしにとっては、十数年前にタブレットBABYを動画で見た時と同レベルの衝撃です

「では、どうしたらよいの??」が、多くの人の疑問となりますが、これも山田先生は明確にお話しされます
アルコールやギャンブル、過食などの依存症とシステムは同じですから、遠ざけることです
ネットならば利用制限です
例えば平日1時間のノーメディアタイムが脳萎縮を防ぐと・・・
また、おとながこどもの横でネットを利用することが大きく影響するという調査結果もデータを基に発表され、海外からも評価されているというお話も、大変興味深いです
つまり、大事なのは親の行動であると・・・

質疑応答の時間に、保護者の方から学校教育におけるタブレット利用(デジタル利用)についての見解が問われ、山田先生は教育現場への導入に慎重な意見を述べられました
これはとても重要な点であり、我々指導者は子供達のどの力を伸ばすのかによって、うまくデジタルとアナログを組み合わせて教育活動を仕組む必要があるとわたしは考えます
依存症が危険であるからこそ、依存症とは何かを知る必要があります
デジタルが便利だからこそ、その利用目的を精査して、教育に効果的な利用をすればよいとわたしは考えます
デジタルとアナログを比較し、その効果に差がない分野があり、デジタルが優位な分野があり、アナログが優位な分野がある
例えば、集中力や、記憶力を育てるのにデジタルはアナログに劣るなど・・・

タブレットBABYが生み出されたように、何も考えず子守代わりにタブレットをポンと子供に使わせることはとても危険なのです

楽しい!
疲れない!
飽きない!
脳に害!!

楽しい!
疲れない!
飽きない!
脳に害!!

山田先生の唱えられるこの言葉が、頭の中をぐるぐるします
最後に、山田先生は次のように述べられます
「ネットの娯楽利用は、日に1〜2時間であれば(おそらく)問題はないが、それ以上は有害」
「ネット依存の危機感を多くの生徒や保護者、先生方と共有したい」

やはり、「おとなが、こどもを守る」ということなのだと、強く感じました
貴重な機会を企画・運営いただいた出町中学校PTA、学年コミュニケーション委員会、参加いただいたみなさん、そして、お忙しい中来校いただいた山田先生に、改めて感謝申し上げます
ありがとうございました


★興味のある方はこちらをどうぞ↓★
北日本新聞HP コノコト
子どものネット依存 どんな症状?(2018年12月26日)
https://webun.jp/articles/-/287382
全6回シリーズ
※2019年1月22日北日本新聞ぶんぶんジュニア面より