中庭

学校日記 school diary

もうすぐ・・・ no.650

公開日
2023/11/30
更新日
2023/11/30

校長室より

今日は11月最後の日
あたりまえですが、明日から12月です
12月といえば・・・・ピサです
と、言う人はほとんどいませんね
ただ、12月はピサの結果が公表されるので、わたしは関心をもち待っています
ピサはPISA、Programme for International Student Assessmentの頭文字であり、OECD(経済協力開発機構)生徒の学習到達度調査のことです
OECD各国の教育を比較する教育インディケータ事業(INES)の一環です
PISA調査の目的は、義務教育終了段階の 15 歳の生徒が、それまでに身に付けてきた知識や技能を実生活の様々な場面で直面する課題にどの程度活用できるかを測ることとされています
調査の結果から、自国の教育システムの良い点や課題についての情報を得て、国の教育政策や教育実践に生かされています
我が国もこの調査に参加しており、国立教育政策研究所(NIER)が調査の実施を担当し、読解リテラシー、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野について、3年毎に本調査を実施しています
新型コロナウイルス感染症感染拡大で1年遅れて実施された本調査PISA2022の結果が、2023年12月公表予定であり、もうすぐなのです
さて、どのような結果が出るのでしょうか?

前回調査PISA2018の結果で特に話題になったのは、読解リテラシーについてでした
※読解リテラシー:
自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、社会に参加するために、テキストを理解し、利用し、評価し、熟考し、これに取り組むこと


【読解リテラシーの結果概要】
・平均得点はOECD平均より高得点のグループに位置するが、前回2015年調査から12ポイント有意に低下
・日本の生徒の正答率が低かった問題は、テキストから情報を探し出す問題や、テキストの質と信憑性を評価する問題だった
・自由記述形式の問題において、自分の考えを他者に伝わるように根拠を示して説明することに引き続き課題がある

そして、平均得点の推移が上2段目のグラフ
OECD生徒の学習到達度調査2022年調査 パンフレットより

母国語である日本語の読解に問題があるということは、物事を考える基盤が揺らいでいるということではないかと強い懸念があります
カウンセラーの方と話をしたときに、中高生で自分の想いを言葉でうまく伝えられず、ストレスを抱える人が増えている感があると聞いたことがあります
また、ストレスを抱えるだけでなく、誤解による勘違いで自分を追い込むこともあるそうです
これまでにも何度か書いていますが、日本語の表現は繊細で、その繊細な言葉が日本人の繊細な感覚や感性を育んできたように感じます
どのようなこともすべて一語や、短文でしか表現しない最近の若者の未来が心配になります
わたしが歳をとったからでしょうか・・・

ただ、PISA2018の結果は、すべてがネガティブなものではありません
生徒質問調査から、日本の生徒は「読書は、大好きな趣味の一つ」と答える生徒の割合がOECD平均より高いなど、読書を肯定的にとらえる傾向があり、こうした生徒ほど読解リテラシーの得点が高いという結果は、今後の指導の参考になるでしょう
繰り返しになりますが、前回本調査PISA2022の結果は、2023年12月公表予定であり、もうすぐです
さてどのような結果が示されるのでしょう・・・

  • 693335.jpg
  • 693336.jpg

https://tonami.schoolweb.ne.jp/1620011/blog_img/8198020?tm=20240808123208

https://tonami.schoolweb.ne.jp/1620011/blog_img/8200017?tm=20240808123208