中庭

学校日記 school diary

母国語は、日本語 no.646

公開日
2023/11/24
更新日
2023/11/24

校長室より

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本日から2学期末考査が始まりました
出中生は、日頃の学習成果を発揮しようと、本気・根気で問題に取り組んでいます
そんな様子を見ると、いつも自分が中学生だった頃を思い出します
そして、いろいろな想いが蘇ります
国語科の学習の仕方が今一つ理解できず、困っていた記憶もそのひとつです
※英語科はもっと悲惨でしたが・・・
国語科の学習は他教科の学習にも影響していたように思います
国語科の評価問題はもちろんですが、社会科、数学科、理科、英語科、音楽科、美術科、技術・家庭科、保健体育科の問題文はすべて日本語でした
また、どの国の人々も母国語で物事を考えるでしょう
だからこそ、国語科の学習は大切だと、今のわたしは強く思います
特に繊細な表現の多い日本語を母国語として使う我々だからこその感情、感覚が、日本人には育まれていると思っていますから

先日、本校の高校説明会を実施した際、来校いただいた校長先生方とお話しする機会がありました
この時期は、大学の推薦入試や、就職試験の対策として、小論文や作文を高校生に書かせることが多いそうです
そこで、最近気になるのは、長い文章を書けない生徒が増えたことだそうです
中学校としても大変憂慮する事態です
SNSの利用が多く、短文でコミュニケーションをとる毎日の積み重ねであったり、そもそも筆記用具で文字を書く機会が減っていたりと、これは中等教育、初等教育においても由々しきことではと感じるのです
今の高校3年生が中学生の頃はまだ、学習活動の中で一人1台のタブレット端末は使用していません
今授業でもタブレット端末を使用するようになった中学生たちの未来はどのようになるでしょう?
もっと影響があるのは小学生でしょうか?
もともと、日常の授業にもタブレットが道具として利用されるようになり、どの場面でどのように活用することで教育効果が上がるのかを十分に考慮する必要があると考えていましたから、高校の校長先生方との話の内容と、そのこととが結びつきました

そして、思い出されたのが、文化庁国語課が毎年行っている、令和4年度「国語に関する世論調査」です
この報告書が、今年度は9月に公開されています
調査は令和5年の1月16日〜3月15日に、全国の16歳以上の個人を対象に実施され、調査対象は6,000人、有効回答数(率)は3,579人(59.7%)でした

調査の問15に、正しく日本語の本来の意味を知っているかを問うものがあります
1「涼しい顔をする」
2「忸怩(じくじ)たる思い」
3「情けは人のためならず」
4「雨模様」
5「号泣する」

本来の意味としてしていた回答をした人の割合は次の通りです
1 22.9%
2 33.5%
3 46.2%
4 37.1%
5 30.3%

報告書には過去の結果との比較や、世代別の結果も示されており、2「忸怩たる思い」と、4「雨模様」は、若い世代(16〜19歳)が他世代よりも本来の意味としていた回答の割合が高かったことが興味深いです
16〜19歳の回答
2 「忸怩たる思い」
 本来の意味を回答 47.8%、違う意味を回答 36.3%
4 「雨模様」
 本来の意味を回答 50.4%、違う意味を回答 31.9%
※他年代のほとんどが違う意味を回答する率が高かったです

わたし自身、正しい日本語を使っているのかと問われれば、自信をもって「はい」答えられない状況であるとともに、過去の自身の言動をふまえれば、まさしく「忸怩たる思い」です・・・

そして、今日は朝から雨が降っており、雨の空模様ではないですし、まだ雪の空模様でもないですね

※令和4年度「国語に関する世論調査」の詳細はこちら↓
結果について(4MB)
https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/kokugo_yoronchosa/pdf/93945901_01.pdf
報告書(2.5MB)
>https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/kokugo_yoronchosa/pdf/93945901_02.pdf