工夫を凝らす no.544
- 公開日
- 2023/06/21
- 更新日
- 2023/06/21
校長室より
理科室で3年生が顕微鏡をのぞき込んでいます
「いったい、何を観ているのだろう?」
好奇心に負けて、思わず学習中の○○さんに「何を観ているの?」と尋ねてしまいます
すぐに、「花粉管を観察しています」と答えてくれました
せっかくなので顕微鏡を覗かせてもらいます
ああ! 花粉管が伸びてます!!
さっそく接眼レンズにスマートフォンを押し付け、写真を撮影しました
何が花粉管かよく分からないと、伸びているのかどうかが分かりにくいです
モノを探すときに、そのモノを知らないと探せないのは当然です
では、花粉管の伸びている様子を観察しやすくするために、生徒に何と言葉をかけるか?
これが指導者として、教師が意識するところです
また、花粉管が伸びる様子を観察するために、どの植物の花粉を使うかは大切です
短時間でぐんぐん伸びるものは観察しやすいですね
長い期間、花を咲かせて花粉を採取しやすいものは準備の都合上便利ですね
今日の授業では、インパチェンスを使っていました
インパチェンスもこの観察で利用しやすい植物のひとつです
わたしは、シロツメクサをよく使いました
校地内にたくさんありましたし、10分もかからずに目に見えて花粉管が伸び、1時間も放っておくと、それはもうもじゃもじゃになるほどの逸材でした
シロツメクサに出会うまでは、全然花粉管が伸びないとか、花粉管が観えないなど、当時の生徒には大迷惑をかけてしまっています
誠に、ごめんなさい
理科教師は教科指導の準備だけでなく、実験・観察の準備・片付けがあり、相当の時間をかけて1時限の授業をしています
実験・観察担当職員はいませんから、時間はかかるのです
準備物を他の学級と共有するなどの工夫もしていますが、ある程度の時間は必要です
これは理科だけでなく、他の教科指導も同じでしょう
教材研究は指導の際に重要なのです
教師は少しでも分かりやすくなるように工夫をして授業に臨み、そのことに終わりはありません
ぐんぐん伸びる花粉管と、ぐんぐん成長しようとする出中生、そして工夫を凝らす教師が、どこかシンクロして感じられます