まなぶこと no.542
- 公開日
- 2023/06/16
- 更新日
- 2023/06/16
校長室より
英語科の学習
第2学年のある学級で、ALTが日本を旅行するためのプレゼンつくりに取り組んでいました
場所を決めて、情報を集め、紹介するための英文を作成します
楽しそうに、主体的に学習に取り組んでいます
こんなわたしにも、中学生時代や高校生時代がありました
その中で、何が苦痛だったかと問われれば、まずは6年間ずっと苦痛だった「英語の学習」と、答えます
学習内容がチンプンカンプンで理解できなかったのです
「言語をマスターするには慣れだ」と、頭では分かっているつもりなのですが、反復練習や地道な学習を苦手とするわたしには、とてもハードルが高かったのです
すべてわたしが原因です
ただ、その割に洋楽は好きで、よく聴いていたからか、大学での英語の講義は興味深く、面白くなりました
第2外国語のドイツ語の方は散々で、再履修の末の単位取得でしたが、英語はなんとか再履修なしで単位をいただけました
要は、大学生になって初めて、英語に興味がわき、主体的に学べたのです
興味がわくと、「right」と「wright」のように違うつづりで同じ発音の単語や、「light」のように、ひとつの単語で「軽い」「光」と、全然別の意味をもつ単語の存在が気になり出すから不思議です
どちらも中学校で学習する単語にも関わらずです
※ちなみに日本語も同音異義語は多いです
例:「こうしょう」は50弱か・・・
校章、交渉、公称、考証、工商、工匠、公証、交床、後章、公傷
巧匠、巧笑、甲匠、交鈔、交睫、口承、口誦、好尚、工廠、行省
行粧、行障、行賞、厚相、厚賞、咬傷、哄笑、後証、公相、洪鐘
紅晶、降将、高声、高姓、高尚、高承、高昌、高商、公娼、高唱
高蹤、黄鐘、康正、鉱床、綱掌、講頌、講誦、翺翔・・・
※多義語も多いですね
例:首→「頭と胴体をつなぐ部位」と「解雇、除名」という意味
結構→「全体の構造や組み立てを考えること」「もくろみ、計画」
「すぐれていて欠点がない様」「それ以上必要としない様」等
中でも個人的に英単語で興味深いのは「present」です
「贈り物」は英語で、「present」
現在、過去、未来の「現在」も英語で、「present」
不思議ではないですか?
「ジーニアス英和大辞典」によれば、現在を意味する「present」はラテン語の「praeesse(近くにいる)」という単語に由来するとのこと
贈り物を意味する「present」は古いフランス語の「presenter(贈り物をする)」に由来するとのこと
語源が違うようでありながら、古いフランス語の「presenter」は、もともとラテン語の「praeesse」に由来するらしく、結局たどればつながるようです
ただ、アメリカの歴史家で作家のアリス・モース・アールの言葉が、すとんと腑に落ちて、わたしは好きです
※「Sun Dials and Roses of Yesterday」(1902年)?
The clock is running.
Make the most of today.
Time waits for no man.
Yesterday is history.
Tomorrow is a mystery.
Today is a gift.
That's why it is called the present.
Alice Morse Earle
和訳は次の通りです ↓
時は刻々と進んでいます
今日という日を最大限に生きよう
時は人を待ってはくれません
昨日は過去であり、
明日は未知であり
今日は贈り物です
ゆえに、「今」を英語で「プレゼント」といいます
アリス・モース・アール
ああ、また小難しい話が長くなりました
やはり、知ることはおもしろいです
別にわたしは勉強が好きな人間ではありませんよ
単に、「興味があることは、より知りたくなる」という、人間が本来持っているであろう本能に動かされているだけだと思っています
勉めて強いると書く「勉強」には、脳内で拒否権が発動されますが・・・