本気の魅力 no.462
- 公開日
- 2023/02/21
- 更新日
- 2023/02/21
校長室より
保健体育科の授業でダンスが取り入れられ、出中生の中にもダンスに興味のある生徒がいます
学習発表会の生徒会ステージでは、楽しそうにダンスを披露する生徒たちがいました
そんな姿を思い出しながら先日の日曜日、あるテレビ番組に見入ってしまいました
午後4時から、NHKで放送された「第4回全日本ブレイキン選手権」です
最初は全く観る気はなく、たまたま女子の部の準決勝を目にしてしまい、選手たちの「本気」に引き込まれ、そのまま男子決勝まで見続けてしまいました
男子の部の3位決定戦で敗れたISSHINこと菱川 一心 選手(17歳)のことが大会前に気になっていました ※菱川選手が学校から帰ってから、黙々と毎日3時間行う練習の様子を観たり、大会にかける想いを聞いたりして気になっていたのです
しかし、最後まで観るつもりは、当初なかったのです
大会結果は男子の部で、去年の世界選手権で銀メダリストのShigekixこと、半井 重幸 選手が大会3連覇を果たします
インタビューでの謙虚な語り口に、さすがトップ選手だと感じさせられました
・この経験を経てまた強くなったなと思う
・プレッシャーも感じていて、ほかのダンサーもレベルが高かったが『優勝するしかねえな』と自分に言い聞かせていた
・決勝は気分が乗っていて一番楽しく踊れたし、疲れなかった
・パリオリンピックへ向けて全力で突き進んでいきたいが、オリンピックとカルチャーの両面でブレイキンを象徴する存在になれればと思う
なぜか涙が出そうになりました
2位だったSHADEこと、岡田 修平 選手(33歳)のインタビューのことばも胸に刺さりました
・前回大会の3位から順位を1つ上げられてよかった
・準備してきたものが洗練されて出せたのかなと感じている
・ずっと群馬でダンスをしているが、地元の子に夢を与えられるようになってきたと感じている
・長くブレイキンに携わって、いろんなことを経験して今の表現がある
・きょうはそれが出せて気持ちよく踊れた
やはり「本気」で「根気」よく、より上を目指す人は輝いていると、改めて感じました
決勝の前に、半井選手の3連覇に対するプレッシャーや、過去のスランプのことを解説者が語っていました
そういうものを克服している人は凄いです
困難は人を成長させるチャンスを与えるのです
彼らの話をじっくり聴きたくなります
ブレイキンは、1970年代のアメリカ・ニューヨークで誕生したそうです
ギャングどうしの抗争を暴力ではなく、平和的に解決する手段としてダンスで競い合ったのが起源とされています
そのため、ダンスの途中に対戦相手をあおったり挑発したりすることがあります
今の混迷の時代に、2024年パリオリンピックの追加種目になったという事実も、最後まで観続けさせられた理由のひとつかもしれません
少し前は、ブレイキンのダンサーをアスリートとする視点をわたしはもっていませんでした
今回、ブレイキンの魅力を一層知る機会となりました
これも出会いのひとつです