雨の弓 no.417
- 公開日
- 2022/12/13
- 更新日
- 2022/12/13
校長室より
最近「虹が見えます!!」という報告をしばしば受けます ※報告とは大袈裟ですかね
先日も「校長先生、お電話中だったので伝えられませんでしたが、きれいな虹が出ていました!」と、職員が教えてくれました
わたしが興味を惹かれるものが何かを、教職員に知られていますね
そして、教えてくれようとしたその心に感謝です
今日は朝から虹が見えそうで見えないお天気です
※上写真は、以前に小矢部市で見た虹です
虹は夏のイメージがあり、冬は虹が見えにくいと思われがちです
実際に、二十四節季・小雪の初候【11日22日(火)〜11日26日(土)】は「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」ですから、それも仕方ないかなとは思いますが、理科教師としては少し残念です
実は12月は「第2虹のシーズン」と言えるほど、見られるチャンスが多いからです
「虹蔵不見(にじかくれてみえず)」は、冬型の気圧配置で晴天が続いて空気が乾燥する太平洋側の人々にとってはそうなのだろうなと想像します
※昔は太平洋側を表日本、日本海側を裏日本と呼ばれていました 富山県民は裏日本人か!と小学生ながらに憤慨していた記憶があります
この時期の虹は「時雨虹(しぐれにじ)」と呼びます
「時雨(しぐれ)」とは、降ったりやんだりする雨のことですが、12月頃の日本海側は天気が変わりやすく、まさしく「時雨」なのです
これは、空が夏の夕立と同じような状態になり、そのために虹が多く見られるのです
また、12月が「第2の虹シーズン」となる理由は他にもあります
それは、虹に気付きやすくなるからです
これは中学校の理科で学習する「冬の太陽高度」が関係します
12月上旬は1年の中で最も太陽高度が低い時期です
太陽高度が低くなることでアーチ形の虹が見られるので、夏は朝や夕方に多く見られるのですが、この時期は昼も太陽高度が低いのでアーチ形の虹が見られ、多くの人が気付きやすくなるという訳です
まだ行ったことはないですが、美しい虹がよく見られるアメリカのハワイでは、昔から虹に関することわざがあるそうです
「No Rain、No Rainbow」
「雨が降らなければ、虹は出ない」という意味で、「つらいことがあっても、その後にはいいことがある」ということです
砺波では鉛色の重く感じる空模様となり始める時期です
今日もやや時雨模様
運よく虹が見られたときは多くの人とシェアしながら、この言葉を思い出してみるのはいかがでしょう
雨の弓は疲れた心を射抜いてくれるかもしれません
あ! 射抜くのは矢でarrow(アロー → あろう)か・・・