剣の道 no.391
- 公開日
- 2022/11/04
- 更新日
- 2022/11/04
校長室より
昨日、第70回全日本剣道選手権が日本武道館で開催され、村上哲彦 5段(愛媛県警)が決勝で安藤 翔 6段(国士舘大教)を破り、初優勝を果たしました
「小・中・高・大と地元で剣道を続けてきて、愛媛出身としてこの舞台で、必ず優勝したいという強い気持ちで頑張りました」
優勝インタビューに答える、愛媛県勢初の快挙を成し遂げた村上5段の表情は、とても晴れやかでした
決勝で対峙した安藤6段は、本大会出場10回目で2度の3位、剣道世界選手権個人優勝の実力者であり、優勝候補筆頭
準決勝までの戦いは、それはもう優勝にかける安藤6段の強い想いが感じられる剣道でした
北海道県警を辞め、母校の国士舘大学の教員としてこの大会優勝を目指した安藤6段が、面を2本決められて敗れた事実は、わたしにとってもなかなかの衝撃でした
安藤6段との決勝戦を前に、「やってもあと1回。最初から決めていた、負けを恐れずに思い切っていくというところだけ考えて、胸を借りるつもりで頑張りました」と、村上5段は優勝インタビューで語ります
「安藤6段の圧力がすさまじくて、自分のやろうとしている剣道がなかなかできず、ただ、跳んで行ったところにチャンスがあったというところです」
「一本とっても、攻めの姿勢を大切にしました」
安藤5段のまっすぐな心を感じます
愛媛県松山市出身
4歳で剣道を始め、兄と弟の3兄弟で切磋琢磨します
入学した中学校には剣道部はなかったのですが、陸上部に所属して4種競技を中心に走り高跳びなどに地道に取り組みます
松山大学を経て愛媛県警へ就職
1年目には左手首の骨が壊死する病気になり、約1年間、手術やリハビリなどで竹刀を握れなかったそうです
そんな状況の中でも、剣道の試合動画を見るなどして、復帰したあとを見据えていました
まっすぐで、地道な取り組み
と、言うのは簡単ですが、強い心を感じます
決勝戦で、安藤6段から突き技を打たれたとき、既の所でかわします
その後、流れの中で自らも突き技を打ちます
ここに、わたしは村上5段の心の強さを見ました
優勝インタビューで、昨年の大会で初出場でベスト8であったことに触れられ、
「去年のことは気にすることなく、自分の目の前の課題などに取り組んでひたすら稽古に励みました」
と、答えます
また、「この経験をこの後どのように生かしていきたいですか?」と問われ、
「優勝はしましたが、このことは今日で忘れて、明日からは次の目標に向かって頑張っていきたいと思います」
と、きっぱり答えます
剣道同様すっきり、まっすぐな印象を受けました
自分の剣道を最後まで貫いた村上選手
1本とられて、この大会で続けていた剣道が少し変化したように感じた安藤選手
勝敗の差は紙一重です
剣道をかじった程度のわたしごときが言うには、はばかられることですが、そのように感じました
本県出身のT選手は、2回戦で敗れました
その稽古相手として帯同したのは本校のS教諭でした
また、詳細について話を聞きたいと楽しみにしています
「もっともっといろいろなことを吸収して、もっともっと技などを磨いていきたい」と、マスコミの取材に答える村上5段の向上心は尽きません
彼の姿勢に学ぶことが多いです
出町中学校剣道部のみんなは観たのだろうか・・・
いや、剣道部にこだわるのはおかしいですね
出中生で観た人はいたでしょうか?
ぜひ感想を聞きたいです