学びのお裾分け no.277
- 公開日
- 2022/05/12
- 更新日
- 2022/05/12
校長室より
朝、校舎内の教室をまわっている時、1年生の○○さんが「昨日は勉強地獄でした」と教えてくれました
「地獄」とは強い刺激のある言葉ですから心配したのですが、笑顔で「中間テストに向けてずっと勉強していたのです」と答えてくれました
昨日のトップページ記事にもありましたが、1年生にとっては中学生活最初の定期考査を迎えます
初めてのことはおとなでも強いストレスがかかりますし、「勉強」となるとますますストレスがかかるのかもしれません
本来、学習は楽しいものなのですが・・・
かく言うわたしも、小中高大とそのストレスに耐えかねて、やや逃げ出していたので偉そうなことは言えませんが、おとなになると学習の楽しさを強く感じています
勉めて強いられているか、学び習おうとしているか、客体か主体かの違いでしょうか・・・
※高校生の頃、ある教科の先生から「勉強は勉めて強いられるものだから、苦しいのだ!!」と、言われたことを急に思い出しました(違和感を覚え、ずっと「それは違う!」と思っていたからでしょうか)
例えば教科書に掲載されている様々な資料
今、砺波市内の中学校に通う中学3年生が国語科の授業で使用しているのは、光村図書出版の教科書です
教科書には義務教育としての学びを促すための仕掛けがたくさんあります
国語科の教科書用に書き下ろされた読み物が掲載されているなど、おとなが読んでも勉強になります
過日、3年生が国語科の授業で学習していた井上ひさし氏作の「握手」を読み、その勢いで、人類学・霊長類学者である山極寿一氏の「作られた『物語』を超えて」という書き下ろし作品も読みました
理科教師にとって、大変興味深いお話しでした
ゴリラの話なのですが、ゴリラを題材としながら我々人間のことが語られています
「自分勝手な独りよがりな解釈を避け、常識を疑うこと、何より自分を相手の立場に置き換えて考えてみる視点が重要である」と、山極氏は述べます
結びの言葉は「作られた『物語』を超えて、その向こうにある事実を知ろうとすることが、新しい世界と出会うための鍵なのだ」です
ネットの世界だけでなく、純粋に人と人との関係の中でも大切にしなければならない「心もち」だとわたしは感じます
保護者のみなさん、一度お子さんの教科書を読んでみるというのはいかがでしょう?
国語だけでなく、社会、数学、理科、音楽、美術、保健体育、技術・家庭、英語、道徳等、お子さんの分からないところがあれば、アドバイスを送ることができるでしょうし、逆にもし分からないところがあれば、お子さんがきっとやさしく教えてくれるでしょう
ぜひ、お勧めします