第182号 ホンモノで学ぶ
- 公開日
- 2021/12/16
- 更新日
- 2021/12/16
校長室より
午後から全校生徒が順番に、小惑星探査機「はやぶさ2」の帰還カプセル展示に出かけました
ホンモノに触れる貴重な機会であり、砺波市内全小中学生が観覧しました
今年の9月3日(金)から来年3月22日(火)にかけて、全国21カ所での展示予定(※1カ所は新型コロナウイルス感染症感染拡大のため中止)であり、その展示場所のうちの一カ所が、今回のチューリップ四季彩館です
北陸三県では展示は富山県砺波市だけです
2020年12月6日
小惑星探査機「はやぶさ2」は、打上げから6年にわたる宇宙の旅を終え、小惑星リュウグウのサンプルが入った帰還カプセルをオーストラリアの砂漠に落としました(※はやぶさ2の本体は、また新たな小惑星を目指して飛行中です)
落下後わずか57時間後に、カプセルは日本の分析施設に到着します
慎重な開封作業の結果、カプセル内にサンプル5.4gを採取していたことが確認されました
この貴重なサンプルの分析から、地球が生命の存在できる惑星になった過程の解明に向けて、現在も作業が進められています
今回砺波へやってきた「はやぶさ2」帰還カプセル
ホンモノを観てもらうことで、「多くの国民、特に若い世代に、宇宙の謎を探究すること」や、「科学や技術を追求すること」、さらには、「チームワークで挑戦することの楽しみを実感してほしい」と、展示の協力団体が募集され、応募した砺波市が北陸三県で唯一選出されました
ただの物体ですが、6年、52億キロメートルの宇宙の旅を終えた物体です
そして何より、多くのプロフェッショナルの想いや、叡智の結晶であり、夢の結集の物体です
出中生は、この物体に何を観たでしょうか?
光の刺激として目に入る情報だけでなく、「どれほど多くの人がこの物体に関わり、その帰りを待ち望んでいただろう?」「持ち帰ったお土産を、多くの科学者がどれほどどきどきして、今開いているだろう?」と想いを巡らせ、想像できるかな・・・
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は「はやぶさ2」カプセルの地球帰還1年に合わせて、12月6日に記者説明会を開催しました
初期分析の成果は来春にも発表される予定で、大きな発見も期待できそうだと言われています
とても楽しみです
小惑星探査機「はやぶさ2」の帰還カプセル展示は12月19日(日)までです
入場無料ですので、小中学生のみならず、多くの方にご覧いただければと思います
おまけ
小惑星探査機「はやぶさ2」について
宇宙航空研究開発機構(JAXA)ホームページより 引用
(www.jaxa.jp/projects/sas/hayabusa2/index_j.html)
小惑星探査機「はやぶさ2」(Hayabusa2)は、数々の新しい技術に挑戦し2010年6月に地球への帰還を果たした小惑星探査機「はやぶさ」(MUSES-C)の後継機です。
「はやぶさ」では、イオンエンジンによる新しい航行方法を確立しながら、太陽系の起源の解明に繋がる手がかりを得ることを目的に、小惑星イトカワのサンプルを持ち帰りました。今回「はやぶさ2」では「はやぶさ」で培った経験を活かしながら、太陽系の起源・進化と生命の原材料物質を解明するため、C型小惑星「Ryugu」(リュウグウ)のサンプルを持ち帰ることに成功しました。
太陽系の起源や進化を知るためには、代表的なタイプであるS型、C型、D型の小惑星を調査する必要があります。
「はやぶさ2」が目指すC型小惑星はS型小惑星のイトカワと比べるとより始原的な天体で、同じ岩石質の小惑星でありながら有機物や含水鉱物をより多く含んでいると考えられています。
地球をつくる鉱物、海の水、生命の原材料物質は、太陽系初期には原始太陽系星雲の中で密接な関係を持っていたと考えられており、始原的な天体であるC型小惑星から採取したサンプルを分析し、太陽系空間にあった有機物や水がどのようなものであったのか、またどのように相互作用し共存してきたかを探ることで、生命の起源にも迫ることができると期待されています。